「お金が欲しいが勝っちゃう。やりたいことがいっぱいあるんですよ。美容にむっちゃお金かかるし、家賃もかかるし、タクシーだって乗りたいし。投資とかFXもやりたいし、ビットコインももっと突っ込みたいし、親孝行もしたいし。私、両親にはパパ活のこと言ってるんです。母は今再婚して、父と一緒に暮らしてて。外食費を出してあげたり、旅行に連れて行ったりしてます。体の関係まであるとは言ってません。親は、応援はしてないけど知ってるって感じです」
◆高校生のときから援助交際、その延長でパパ活を開始
そんなヒナちゃんが、自分の体がお金になると気付いたのは高校生の時だった。
「私、高校生の時からウリやってて。その頃、顔面偏差値今より低くて、2万とかで安売りしちゃってたんです。その頃は整形のためにもお金が欲しかったんですよね。トータルで整形に300万円くらいかけてるんですけど、整形する前と後では男の人の態度がまったく違う。もう、本当に違う。こんなにちやほやされるんだって。男って常々バカだなと思います」
ヒナちゃんは高校生時代からお金に執着しすぎるがあまり、友達からも指摘されてしまうことが多くあったという。その原因は変わった家庭環境にあった。
「うち本当は貧乏じゃないのに、母親になぜか『うちは貧乏だ』って言われながら育ったんですよね。母親がちょっとおかしくて、2回くらい不倫して家を出て行ったり、自殺未遂を目の前で何回もしてたから、私は高校生の時から自分で生活費を稼いで、一人暮らしをしてたんです」
整形で外見のアップデートを繰り返し、SNSやアプリから交際クラブへと主戦場を変えてきたヒナちゃんは、パパ活を始めてから、車や高級ホテルに詳しくなったという。
「パパ活をすることで人のお金で良いご飯食べたり、良いホテルに泊まったり、初めてお金持ちの世界を垣間見ることができたんです。ひとつひとつが自分にとって価値のある経験だと思ってて。もっと幸せになるにはどうしたらいいかって考えた時に、お金があったら幸せになる選択肢が増えるなって思って。それもあってお金に執着してるのかも」
◆パパ活は効率の良い「仕事」
パパ活はあくまで仕事だと言い切るヒナちゃん。だが、体を売るような店では絶対に働かないという。なぜならそこに来る客は低俗でお金がなく、自分にとって何もメリットがないからだそうだ。
「パパ活は仕事。効率の良い『仕事』でしかない。でも店で働くのは嫌です、効率が悪い。そっちのほうが効率いいって人もいるけど、時間とリスクを考えると体も心も傷付くし、なんの勉強にもならない。低俗な金もない男と寝るなんて嫌ですね。
パパ活は学べることも多いし、自分としてはお互いwin-winでありたいと思っていて。パパ活は自分が消耗する感じもないし、向いてると思います。体での行為自体はあんまり好きじゃないけど、死ぬほど嫌ってわけじゃないし、目を閉じて息止めてたらできるんで。だから、男性の見た目はあんまり気にしない。教授なんてやばいですよ。見た目がドブガエル」
◆彼女が割り切れる理由
ヒナちゃんは「若いうちにお金持ちを捕まえて結婚するのが一番いい。そしたらパパ活はしないと思う」と話すが、“大人アリ”のパパ活を「仕事」と割り切れるのはなぜなのだろうか?
「Hな動画を見るとき、私、無理やりみたいなのとか、そういうのが好きなんですよ。性欲はあるけど、結局パパ活って、ヤる前提で集まるわけじゃないですか。でも、そういうのより、絶対やっちゃいけない友達関係なのに、飲んだ勢いで、みたいな時にしか興奮しないんですよね。
アプリで会おうってなっても、お互い『今日ヤるのかな、ヤラないのかな』とか思ってるのは嫌なんです。絶対ないだろっていう関係でヤるのが一番いい。だから、それ以外はどうでもいいんです。興奮するわけじゃないから、お金になるんだったらいいじゃんって感じで」
ヒナちゃんが「仕事」と割り切れる理由に、妙に納得してしまったが、パパ活が彼女の貞操観念の崩壊に拍車をかけているような気がしてならない。
<取材・文/日向琴子>
【日向琴子】
漫画家、コラムニスト、ラブホテル評論家。2020年 高野山真言宗 にて得度、出家。22年に伝法灌頂、阿闍梨へ。著書に『ルポ パパ活』(彩図社)など。
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外部リンク日刊SPA!