[画像] J1札幌が天皇杯3回戦6-3で大勝!DF家泉怜依「気持ちが伝わるようなプレーができれば勝利につながる」とリーグ戦巻き返しを誓う

天皇杯3回戦J1北海道コンサドーレ札幌vsJ2モンテディオ山形戦が10日に山形・天童市内で行われ、札幌が6-3で山形を下して同杯ラウンド16に駒を進めた。この日今季J2いわきFCから完全移籍で加入したDF家泉怜依が先発し、山形との激しい球際の勝負に打ち勝って攻守に存在感を見せた。

山形とのデュエルを制した家泉(左)

滝のような雨が降る中で試合が行われたが、家泉の闘志は冷めることがなかった。この日センターバックで先発した背番号15は高い位置から球際に強くチャレンジし、相手のチャンスの芽を摘み取った。空中戦でも185センチの高身長とフィジカル強化に定評があるいわきで鍛え上げられた肉体を駆使して危険なボールに対処した。

6-3の大勝に家泉は「勝ったのは良かったんですけど、守備は3失点しているので改善したい。前の選手が6点を取ってくれたので、すごく助かりました」と守備面の改善を強調した。

今季リーグ戦43失点で全20チーム中ワーストとチームの守備面は大きな課題を抱えており、J2山形相手に3失点を喫したことでディフェンスの問題点が浮き彫りになってしまった。

「ゴール前で2失点目、3失点目は裏抜け1本でやられている。身体を張る部分はリーグ戦になったらより強度が高くなります。攻撃の部分はいいとこが出て点が入ったので、そこを続けていきたいですね。守備の部分はリーグではもっと体を張る部分、ミスを失点につなげないという部分をもっとやっていかないとリーグでも勝てないと思う。1点でも失点を少なくできるようにしていければなと思っています」と気を引き締めた。

公式戦6試合ぶりの勝利を手にしたが、リーグ戦は8連敗中と苦境に立たされている。それでもリーグ戦5試合連続無得点だったチームが6得点と大爆発して光明が見えた。

守備面を改善できれば上昇のきっかけをつかめるかもしれない。白星を手にしても浮足立つことなく冷静に課題と向き合う家泉は、次戦ヴィッセル神戸戦に視線を向けている。

札幌のフィジカルモンスターが勝利へ導く

2022年に流通経済大から当時J3のいわきに加入した家泉はいわきでフィジカルトレーニングを積んで、ルーキーシーズンはJ3屈指のセンターバックへ成長してチームのリーグ制覇とJ3ベストイレブンに選出された。昨季もJ2で39試合に出場し、持ち前の身体能力の高さと卓越したフィジカルで守備を支えていわきをJ2残留に導いた。そして今季J1札幌へと移籍して、J3からJ1へと駆け上がってきた。

ブロックに入る家泉(左)

いわきで培ったエッセンスは現在も生かされている。家泉は「(いわきで成長した部分は)ヘディングの部分、相手フォワードにボールが入ったときにしっかりと強く当てる部分ですね。競り合いの部分、競り負けない部分は最近戦えていないところがありましたけど、そういうのはやらなきゃいけないときに出せるようにはなったかなと思っています」と明かした。

一方でいわき時代はビルドアップ面などが課題とされていたが、素早く正確なビルドアップや展開を求められる札幌にステップアップしたことで、オンザボール面での成長が見られている。

「ポゼッションの部分、足元でボールを動かす部分は動きながら受けることとか、ボールを止めないで動かしながら逆サイドを見たり、シャドーやフォワードの選手を見る部分は最初(札幌に)入ったときよりできるようになった印象です」と成長を口にした。

背番号15は今季リーグ戦12試合に出場し、先発は5試合に留まっている。白星を挙げた出場試合は5月に開催された第14節ジュビロ磐田戦のみで、先発した試合では勝利を手にしていない状況だ。それだけに勝ち星を渇望している。

「8連敗していて何が何でも勝点を取りに行きたい気持ちは自分たちが1番思っています。サポーターのみなさんもまだ応援してくれるので、気持ちが伝わるようなプレーができれば勝利につながると思う。勝点をなんとしてでも取れればと思っています」と次節神戸戦に向けて意気込んだ。

得点を決めたDF岡田大和と喜びを分かち合う家泉

J1札幌がJ2山形に6-3の大勝で天皇杯3回戦突破!札幌MF駒井善成「勝ってバトンをつないでくれた」

次節神戸戦は13日午後2時にホーム・札幌ドームで開催される。優れた肉体、成長した技術、勝利を渇望する精神と心技体を高水準で備える札幌のフィジカルモンスターが、攻守に奮闘してチームを9戦ぶりの勝ち星奪取へと導いてみせる。