[6.30 J1第21節 浦和 3-0 磐田 埼玉]
浦和レッズの育成組織で育った19歳のMF堀内陽太が、J1第21節・磐田戦で待望のJ1リーグ戦デビューを果たした。「ここまで長かったなと思う。でもここまで積み重ねてきた結果、運の要素も強かったと思うけど、チャンスを得られたのは大きな出来事だった」。約7分間のプレータイムではあったが、埼玉スタジアム2002で大きな第一歩を踏み出した。
浦和レッズユースからトップチームに昇格し、今季が2年目。昨年4月にはルヴァン杯グループリーグ第3節・川崎F戦で後半41分から出場し、早々とデビューを果たしたが、その後は出場機会が続かなかった。
「最初の4月にルヴァン杯は出られたけど、そこからメンバーにすら入れない時期があったし、時間が流れるのはすごく早かったけど、サッカー選手として試合に出るのに時間がかかってしまったなと思う」。この日は今季5度目のベンチ入り。これまで時間がかかったぶん、大きな覚悟を持ってピッチに入った。
スタートポジションはダブルボランチの一角だったが、ファーストプレーから果敢な姿勢を見せた。中盤でボールを受け、右サイドへのパスで軽やかにさばくと、そのまま右深くに侵入。最後はドリブル突破が相手に阻まれる形となったが、「時間も限られていたし、出たからには何かインパクトを残さないとなと意識していた」という気迫を表現した。
その後も積極的にボールを受け続け、アディショナルタイム3分にはしなやかな身のこなしで相手守備陣2人を間を持ち運び、味方にパスを出すシーンも。最後まで浦和ユースの先発でもあるMF伊藤敦樹を相方に、トップ下のタイ出身MFエカニット・パンヤとともにゲームをコントロールし、無失点のまま試合を締めた。
浦和は前節の名古屋戦(◯1-0)から4-2-3-1の新布陣を採用しており、堀内にとっても好感触を持っているようだ。「やりやすいですね。味方とグルグル入れ替わってローテーションすることで相手もつきづらいし、自分も相手にそうされるとつきづらい印象がある。真ん中の3枚が流動的に動くのは個人的にやりやすいし、チームにとってもプラスに働いていると思う」と手応えを語る。
そうした中、個人ではロングフィードやターンでプロ基準の能力を身につけるべく取り組んでいる様子。「そこはボランチでもアンカーでもインサイドハーフでも求められる部分なので、突き詰めていかないといけないと思う。また試合を作るという部分でもまだまだやれていない。ボランチの役割としてそれが一番大きいと思うのでもっとこだわっていきたい」と意気込む。
昨年のルヴァン杯デビューは敵地等々力だったため、埼スタデビューという点でも大きな一歩。それでも、これをあくまでも通過点にしていくつもりだ。「今回初めてJ1リーグで、そして埼スタでプレーすることができたけど、これからもっとやっていかないといけない部分がある。継続して出場機会を掴むにはもっと取り組まないといけないし、少しずつ試合に出て、結果にもこだわって、チームの中心選手になれるように気合を入れて頑張っていきたいなと思います」。試合後、19歳の目線はすでに前を向いていた。
(取材・文 竹内達也)
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