町田駅周辺が、多摩都市モノレール延伸計画を契機に大きく変化しそうです。公表された再開発事業方針で、新駅が想定される位置も明らかになりました。

駅周辺の4地区を「開発推進地区」に

 東京都町田市は2024年3月15日、「町田駅周辺開発推進計画」の素案を公表。駅周辺の再開発事業を進めていく方針を明らかにしました。


多摩都市モノレール(画像:写真AC)。

 町田駅周辺は、首都圏で有数の商業集積地である一方、駅周辺施設の老朽化が進行し、更新時期を迎えつつあるといいます。また、周辺エリアでは、橋本や相模原、海老名、立川などで開発の動きが本格化しており、「町田の求心力が埋没」する懸念があるそうです。
 
 さらに、多摩都市モノレールの町田方面延伸計画もあり、人の流れが変わることも想定されています。こうした状況を踏まえ、市は駅周辺全体で抜本的なリニューアルを推進していく構えです。現時点では、駅周辺エリアの詳細な開発計画は決まっていませんが、「町田駅周辺開発推進計画(案)」で開発の方向性が示された形です。

 市は2024年度の当初予算案に「中心市街地開発推進事業」として1億382万円を計上。町田駅周辺をA〜Dの4地区に分け、「開発推進地区」に指定しました。A地区には「東急ツインズ」や「モディ」、C地区には「西友」や「パリオ」などの商業施設があります。B地区は駅北口に面しており、D地区には森野住宅などが含まれます。

新たな交通ターミナルも整備へ

 3月23日には、市内でモノレールの導入空間となる「新町田街道」も延伸開通しましたが、町田駅周辺の導入空間は「原町田大通り」となる見込みです。新駅はA地区内に設ける想定。A地区には新駅のほか、交通ターミナルを集約し、バス待合所なども設けるとしています。
 
 B地区にはシネマコンプレックス、C地区にはライブホール、D地区にはエンタメ施設などを導入する想定です。

 市は今後、まちづくり関係者や交通事業者などが情報交換できる場として「(仮称)開発推進連絡協議会」を立ち上げる方針です。 
 
 なお、町田駅周辺再開発をめぐっては、小田急電鉄も中期経営計画において、駅周辺の自社資産を活用して再整備を進める考えを示しています。今後は駅舎や一体化している小田急百貨店など、小田急グループが保有する資産も含め、再整備に向けた検討が本格化するとみられます。