この記事をまとめると
■日本国内で販売されている新車のうちMT車の割合は1.4%しかない(2019年当時)
■AT限定免許が多いなかで、それでも限定なし免許を取得する理由を教習生に聞いてみた
■さらに限定なし免許を取得するおすすめのタイミングもあわせて解説
MTで免許を取る教習生にはそれなりの理由があった
運転を楽しめるクルマといえばMT車と答える方もいるでしょう。しかし、日本国内で販売されている新車のうち、MT車はたったの1.4%(2019年時点の統計)。つまり、ほとんどがAT車ということになります。また、教習所に通う教習生の多くはAT限定ですが、限定なし(MT)で普通第一種運転免許を取得する人も一定数います。
では、普通第一種運転免許をMTで取得するメリットは何なのでしょうか。今回は、MTで運転免許を取得するメリットを教習所に勤務していた筆者が解説します。
MT車の新車はわずか1%台! 普通自動車の教習生の多くはAT限定
街なかを走るクルマのほとんどがAT車の現代においても、MT車に乗りたいという人は多くいます。しかし、2010年代(2010〜2019年)の統計(日本自動車販売協会連合会のデータ等)を見ると、新車で買えるMT車は1%台でした。
また、運転免許を取得するために通う教習所では、「普通自動車(AT限定)」が大多数を占めており、普通自動車のMT車、つまり「限定なし」の教習生は少数派となっています。
警察庁が発表している運転免許統計(令和4年版)でも、普通自動車第一種運転免許の受験者数157万8541人のうち、AT限定が115万7054人。つまり、約73%の人が「AT限定」で運転免許を取得しようとしているのです。
ただ、「限定なし(MT車)」で運転免許を取得する人も一定数いるというのも事実。では、限定なし(MT車)で運転免許を取得しようとした理由は何なのでしょうか。
実際に聞いた! 限定なし(MT車)免許を取得する理由
筆者が指定自動車教習所の教習指導員として勤務していたときは、すでに7割がAT限定、3割が限定なし(MT免許)の時代でした。そのため、MT免許を取得する教習生の多くが何かしらの理由があってMT免許を取得していました。
実際に教習所に勤務していたときにMT免許を取得する理由を教習生に聞いたことがあるので、今回はその一部を紹介します。
教習生1「乗りたいクルマがMT車だから」
教習生2「就職する際にMT免許が条件だから」
教習生3「親にMT免許のほうがいいといわれたから」
教習生4「クルマが好きで免許を取るならMTと決めていたから」
このように、限定なし(MT)免許を取得する理由はさまざまです。そのほかにも、数多くのMT免許を取得する教習生を見てきましたが、MT免許を取得する人のほとんどが何かしらの理由がありました。
AT車にはない楽しみを享受できるのも限定なし免許の魅力
MT車に乗れるメリットとは?
MT車に乗ることができる「限定なし(MT)免許」には、どのようなメリットがあるのでしょうか? MT免許を取得する主なメリットは次のとおりです。
・クルマに乗るときにトランスミッションの種類を気にする必要がない
・スポーツカーなどMT車に乗ることができる
・運転を楽しめるクルマに乗ることができる
・仕事によってはAT・MTのどちらも乗れるほうが有利になる場合がある
そのほかにもメリットはありますが、主なメリットは上記の4点といえるでしょう。
また、MT車に乗れる免許を保有していると次のような楽しみも増えます。
・運転が楽しいクルマに乗れる機会が増える
・スポーツカーや旧車などに乗ることができる
・自分の運転操作に対してクルマが反応するため一体感ある走りを楽しむことができる
このような感覚を楽しめるのもMT免許を取得し、MT車に乗るメリットといえるでしょう。
限定なし(MT)免許を取得したいときのおすすめの順序
限定なし(MT)免許を取得するための方法は次のとおりです。
・最初から限定なし(MT)免許を取得する
・AT限定免許を取得した後で限定解除して「限定なし(MT)」にする
上記のふたつが限定なし(MT)免許を取得する主な方法です。
就職の条件としてMT免許が必須な場合など、MT免許でなければならない理由があるときは、最初から限定なし(MT)免許を取得するとよいでしょう。
一方、いまのところMT車に乗る必要がない場合や限定なし(MT)免許が必須ではない場合には、AT限定免許を取得し、必要になったら限定解除する方法がいいといえます。
また、免許取得後、家にあるクルマやレンタカーなどのAT車で公道での運転に慣れてから、MT車に乗ろうと考えている場合も、AT限定で免許を取得し、あとで限定解除したほうがよいといえるでしょう。なぜなら、家にあるクルマやレンタカーなどのAT車で運転そのものに慣れてから、教習所で限定解除の教習を受けることで、MT車の操作の練習をした直後にMT車デビューできるからです。
このようなことからも、最初から限定なし(MT)免許を取得し、数年ぶりにMT車に乗るよりも、限定解除したタイミングでMT車に乗るほうがよいといえるでしょう。
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