アーノルド・シュワルツェネッガーの代表作の1つである映画「ターミネーター」に登場するT-800は、チタン合金でできた骨格を人間と同様の細胞組織が覆っているため、見た目は人間そっくりです。この作品にインスピレーションを得た科学者が、菌類を用いて「生きた皮膚」を作り出すことに成功しました。

Fungal Skin for Robots | Research Square

https://www.researchsquare.com/article/rs-3292325/v1



Terminator model has living skin made from fungi | New Scientist

https://www.newscientist.com/article/2390848-terminator-model-has-living-skin-made-from-fungus/

Scientists Have a Great Idea: Cover Killer Robot in Horrifying Fungus

https://futurism.com/the-byte/living-skin-robot-fungus

Scientists Are Using Fungus To Create The Terminator

https://www.giantfreakinrobot.com/sci/scientists-fungus-create-terminator.html

この論文はバレンシア工科大学のアントニ・ガンディア氏と西イングランド大学のアンドリュー・アダマツキー氏によるもので、論文掲載サイト・Research Gateにプレプリント(未査読論文)として掲載されました。

ガンディア氏は「映画『ターミネーター』には、ロボットに皮膚を移植するシーンがあります。皮膚は外部から追加されたものですが、ロボットはそのデータを収集し、皮膚を自動修復します。私たちは、そういったことがすでに可能であることを示したかったのです」と述べています。

ガンディア氏とアダマツキー氏は、寒天で作った固定培地にさまざまな条件で増殖する霊芝固着菌を入れ、高さ7インチ(18cm弱)の「ターミネーター」の模型の周りに付着させて、培養器内に入れました。

培地を模型に付着させているところ。



すると、わずか5日でターミネーターは菌糸体に包まれたとのこと。これをガンディア氏らは「生きた自己再生する反応性の霊芝固着菌糸体」と表現しています。



この菌からできた「皮膚」は、軽くて触覚に敏感で、栄養がある限り損傷しても自己修復するとのこと。

ガンディア氏とアダマツキー氏は、これらの研究は建築物に応用できるものであり、温度調整の役割を果たす「生きた表皮」を作るための基礎を築くのに役立つことを期待しているとのことです。