【ツイッターは仕事!企業公式「中の人」集合(特別編)】

「企業が自社製品を持ち寄り、本気でバーベキューをしたらどうなるか」、再び。

複数の企業公式ツイッター(現、X)アカウント担当者が集結し、2019年7月に第一回イベントを実施した「公式BBQ部」。コロナ禍を挟み、東京都内某所の屋外バーベキュー場にて、2023年8月3日に第二回が行われた。主催は、前回に続き「アイラップ(岩谷マテリアル)」および、「CASIO カシオ計算機株式会社」のアカウント担当者。その呼びかけに応じ参加したのは、アース製薬いきなり!ステーキ、エレコム、カルビー(当日はリモート参加)、紀文食品、ギンビス、ポッカサッポロ、マクセル、の計8社だ。他では見られない10社の共同イベントの模様を、J-CASTトレンドが取材した。

出張、「いきなり!ステーキ」

持ち運びやすい電子キーボード「CASIO Casiotone CT-S200RD」が自動で奏でる曲を聞きながら荷解きをし、参加者全員でテントを張る。ポッカサッポロフード&ビバレッジアカウントを担当する「姉妹」が持ってきた4種類の飲料で水分補給、もとい、乾杯!

北海道富良野ホップ炭酸水、キレートレモン Wレモンは、ゴクゴク飲めて爽やかな口当たりの炭酸。加えて「炭酸が苦手な人も飲みやすいように」と、北海道コーン茶や、キレートレモン Cウォーターも選んで持ってきた。「皆さまが脱水症状にならないように!」との思いがあったという。

喉の渇きが癒えると、がぜん腹が減ってくる。BBQと言えば焼き肉、と考えていた記者の耳に、アース製薬の担当者の声が届いた。

「出張、『いきなり!ステーキ』!」

見れば、肉焼きショーがいきなり始まっていた。今回「助っ人」として駆けつけた「いきなり!ステーキ」の公式TikTok担当が、「カセットガス スタンドBBQグリル グリルスター」(岩谷産業)に、分厚い肉を惜しげもなく並べていく。実はこの人物、かつては実店舗の店長として、日に数百枚のステーキを焼いていた手練れだ。

絶妙な焼き加減のステーキに、「いきなり!スパイス」や「いきなり!ステーキ いきなり!ソース」、「ポッカレモン100」を、それぞれが好みでかけていただく。風や草の香りを感じながら、屋外で食べるステーキのおいしさは一味違う。ここまでくると白米も食べたい。欲張りと言われようとも。

そしてそんな願いがさらりと叶えられるのが、公式BBQの恐ろしい(素晴らしい)ところだ。

「ごはん、ありまーす!」

オブザーバー参加していた岩谷産業社員が、ふっくらした炊きたての白米をお披露目した。「カセットガス炊飯器 HAN-go」(岩谷産業)を使えば、5合を18分で炊ける。

参加者が肉とコメの最強タッグに舌鼓を打っている中、風に強いコンパクトカセットこんろ「カセットフー"タフまる"」と「カセットこんろ専用ホットサンドグリル」(いずれも岩谷産業)に向き合う人影が一つあった。紀文食品の担当者だ。

「お肉の合間にちくわ、いかがですか! お魚たんぱくが摂れて、しかも低脂肪ですよ」

スーパーの試食コーナーさながらだ。作るのは「ちくわボード」。材料を切って乗せるだけのお手軽レシピだが、「簡単そうに見えない」一品ができる。

縦に切れ目を入れたちくわに、キムチをはさみ、上にピザ用チーズを乗せて、ホットサンドグリルで焼く。仕上げに表面を「カセットガス"アウトドアトーチバーナー"」(岩谷産業)で軽くあぶって完成だ。本来は、オーブントースターで調理するそうで、「ホットサンドグリル」で作ったのは初めて。新しい試みだったが、思った以上にうまくできたと笑顔を見せた。

「多業種で集まってBBQをすると、『こんな食べ方があるんだ』、『こんなにおいしい商品があったんだ』と、うれしい発見がたくさんありますね」

アース製薬「みんなを守る」と宣言した結果は

肉にコメ、練り物ときて、食べたくなるのは甘味。ギンビス担当者が豪勢なおやつスポットを作り上げていた。

当日は快晴、日向に長居はしたくない暑さ。中でも「しみチョココーン」は溶けてしまうのでは...と思いきや、年間を通して常温保管、常温物流で対応できるスナックで、むしろ「溶けにくい」から持ってきた、と担当者。夏でも、手に持った時にチョコがつきにくいそう。

いよいよBBQ終盤に差し掛かってきた頃。どこからともなく、「スマホのバッテリーが......」という声が聞こえてくると、すかさずエレコムとマクセルの担当者が立ち上がった。

「「出番が来た! 我が社のモバイルバッテリーや、ポータブル電源で充電してください!」」

BBQの間、各社の担当者は調理に食事、更に交流をしながら、ツイッター投稿も随時行っていた。そうなるとバッテリーの減りも早いが、万全の充電体制が敷かれているため、大事には至らなかった。

安全が保障されていたのは、それだけではない。記者は夏場、何の対策もなくアウトドアイベントに出かけると確実に蚊に刺されるが、この日は虫除けグッズを持参しなかったにもかかわらず、無傷。参加者全体を見ても、虫刺され被害者は一人も出なかった。

BBQ開始直後に「みんなを守ります」とツイートしていたアース製薬が、「アース渦巻香 プロプレミアム」を設置したり、持参した「サラテクト」商品を参加者に勧めたりと、サポートに回った結果だ。特に、汗に強く、メントール配合でクールな使用感の虫よけ剤「サラテクト ACT FIT ミスト」は、夏やアウトドアシーンにもってこい。香りも気にならず、食事を邪魔しなかった。

血の通ったプロモーションに

BBQ終了後、主催のアイラップとカシオ担当者を直撃した。

アイラップは第一回のイベント後、公式BBQ部として積極的に活動していくつもりで、いくつもの企画を練っていたそうだ。しかしコロナ禍になり、あらゆることにストップがかかる。各社アカウントの運用スタイルや担当者が変わり、気づけば「メンバーが、カシオさん以外いなくなっていた」。

しかし、コロナ禍でも他社アカウントとの交流までは止めなかった。2023年になり、「かつてコロナ前にやっていたことを、復活できないか」とカシオ担当者に相談し、新メンバーを募って今に至る。「ツイッターは仕事」という前提を大切に、「みんなで一つの物事に楽しく取り組むことで、血の通ったプロモーションにつながれば」と話す。

「今回のメンバーは、コロナのせいで企業同士のリアルな交流機会に恵まれなかった人が多いです。今後もメンバーを流動的に入れ替えて活動し、かつて盛んだった、こうした体験を色々な担当者たちと共有していきたい」

一方のカシオ担当者は、前(2019年イベント時)から思いは変わらない、と一言。BBQを通じ、製品を実際に使いながら、「こんな商品がある、こういう活用の仕方がある、と見せて伝える機会を作りたかった」。

最後に、後片付けに励む参加者たちへ視線を配りながら、こう締めくくった。

「我々はSNSの投稿に顔を出せませんが、それでも雰囲気から、笑顔は伝わると思うんです。いきいきと楽しそうに伝えた方が、見る側にも企業や商品の魅力がより届くでしょうから」