女優グウィネス・パルトロウ(50)のスキー事故をめぐる裁判が、2週目に突入した。現地時間27日にはグウィネスに衝突されたと訴えた元医師のテリー・サンダーソンさん(76)が証言台に現れ、事故当時の出来事を供述した。テリーさんは衝突の直前に「血も凍るような叫び声が聞こえた」と言い、その後空中に投げ出されてすべてが真っ暗になったと述べた。意識が戻った時は、自分が悪者だと信じるようにスキーインストラクターの男性から脅されたと主張している。

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現地時間27日、米ユタ州パークシティにある裁判所で2016年2月にスキー場「ディアバレー・リゾート」で起きた衝突事故をめぐる裁判の2週目が始まった。

グウィネス・パルトロウを提訴したのは、当時スキー場で衝突したという元検眼専門医のテリー・サンダーソンさんだ。テリーさんはグウィネスが前方不注意で激突してきた後、すぐに現場を立ち去ったと主張。衝突により深刻な怪我と脳損傷を負ったと訴え、30万ドル(約4000万円)の損害賠償を要求している。

事故をめぐる民事裁判は現地時間21日に開始し、初日の冒頭陳述ではテリーさんの代理人ローレンス・ビューラー氏がグウィネスの滑り方に対して「無謀だった」と述べていた。

続いて現地時間24日の裁判ではグウィネスが証言台に座り、事故に至った一連の出来事について供述。スキー場で衝突してきたのは自分ではなくテリーさんの方だったと主張し、その時に性的暴行の恐怖を感じたことを告白した。

そして今回はテリーさんが証言台に現れ、事故当時にスキー場で起こったことを供述したのだ。

法廷でテリーさんは、スキー場の斜面にある“減速せよ”と書かれた標識を通過した直後に「血も凍るような叫び声を聞いた」と証言し、グウィネスと衝突した瞬間についてこのように述べた。

「制御不能になり、木にぶつかって死んでしまうような感じでした。背中から衝突されたのです。非常に強い衝撃でした。」

その衝突で空中に投げ出されたというテリーさんは、当時の状況を「一面の雪景色を見ました。私は飛んでいたのです。最後に覚えているのは、すべてが真っ黒になったということでした」と説明した。

そして意識が戻ると、「ルールに沿って滑っていないことを自覚しているのか?」と怒りながら叫ぶ男性の声が聞こえたそうだ。男性はテリーさんの方が悪いと信じさせるため、脅すような態度を取ったという。

この男性は当時、グウィネスの息子モーゼスさん(16)にスキーの指導をしていたディアバレーのスキーインストラクター、エリック・クリスチャンセンさんとみられている。

当日の証言台にはエリックさんも現れ、テリーさんによる敵対心を抱いていたという主張について彼は「馬鹿げている」と一蹴。そして客と対立するインストラクターはスキーリゾートで「長続きしない」と指摘したのだ。

さらにグウィネスの滑り方は「無謀でも危険でもなかった」と証言し、彼女の技術について「半径の短いターンに長けている」と述べた。また女優として有名なグウィネスを守るため、隠ぺい工作をしたという疑惑についても否定した。

エリックさんによると、グウィネスとテリーさんは事故後、スキーパトロールに助けを求めなかったそうだ。スキーパトロールはスキー場で事故が起きた際に供述を取り、怪我の程度を評価する必要がある。そのためエリックさんは「もし誰かが助けを求めていたら、すべてが変わっていただろう」と話した。

なおこの日のテリーさんは法廷で、衝突事故により身体的や精神的に傷を負い、以降は隠とん生活を送っていると明かした。こういった医学的な問題が生じたことにより、子供達との関係が変化し、パートナーとの別離や友人を失う一因になったとも語っている。

画像2、3枚目は『Law&Crime Network 2023年3月27日付Twitter「The man suing @GwynethPaltrow said he heard a blood curdling scream right before the actress allegedly hit him while skiing in 2016.」「Ski instructor Eric Christiansen started to get frustrated with #TerrySanderson’s attorney」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)