危険を感じると悪臭を放つことで知られるスカンクだが、このほどカナダのある学校にスカンクが出没し、あまりの悪臭で児童たちは別の場所で授業を受けることになった。スカンクの捕獲には数日かかったものの、児童らは無事学校に戻ることができたという。しかし悪臭で迷惑をこうむったにもかかわらず、校長は「スカンク・セレブレーション・デー」を設けてイベントを開催し、スカンクに敬意を表しつつ学校全体で祝ったそうだ。カナダのニュースサイト『CBC.ca』などが伝えている。

スカンクが出没したのは、カナダのマニトバ州ウィニペグにある「スティーブンソン=ブリタニア学校(Stevenson-Britannia School)」だ。スカンクによる悪臭が初めて感知されたのは現地時間13日だったが、翌日には悪臭が建物全体に広がった。そのため幼稚園児と小学1年生は近くのコミュニティクラブへ、2〜3年生は近所のプリスクールへ、4〜5年生は別の小学校へとそれぞれ移動することになった。

同校のジェーン・カウチ校長(Jane Couch)とノーム・グールド副校長(Norm Gould)は14日、保護者に対して「スカンクの臭いに毒素は含まれていないが、多くの児童にとって不快であると思います」とメッセージを送った。そして動物管理の専門家がスカンクを捕獲しに来ること、空調の専門家ができるだけ新鮮な空気になるよう試みること、また悪臭が気になる場合は登校を控えるようにとも伝えた。

問題のスカンクは学校の床下に身を潜めていたとみられているが、悪臭は2日経っても改善されなかった。15日の夕方、学校側は「建物内の悪臭は大幅に改善されましたが、まだ不快です。換気を強化するため、オゾン発生器を設置するなど問題解決に向けた取り組みを続けています」と保護者に伝えている。そして翌日も児童たちは別の場所で授業を受けなければならないことが告げられた。

しかし16日の朝、学校側から「昨晩、スカンクの捕獲に成功し、別の場所に移動させる予定です。他にもスカンクがいないか監視を続けており、侵入口となった学校建物の床下スペースの開口部は埋められました」という朗報が伝えられた。

今回の悪臭騒動を受け、3年生のハルセハディープ・ヘハーさん(Harsehajdeep Hehar)は「初日はそれほどでもなかったのですが、2日目になると、その臭いに耐えられなくなりました」と明かしており、保護者の一人であるサマンサ・フォンテーンさん(Samantha Fontaine)は「不便でストレスがありましたが、愉快なものでした。学校スタッフ、児童や保護者、そして(問題の対処にあたった)各部署のスタッフは悪臭の問題を解決するために一致団結しました。今回のハプニングは今後、面白い話のネタになるでしょう」と話している。

20日の月曜日、児童らはようやくスティーブンソン=ブリタニア学校に戻ってきたが、同校は、この日を「スピリットウィーク」の開始日とした。「スピリットウィーク」とは、カナダやアメリカで学校の結束力を高め、学校の雰囲気を盛り上げるために、毎日テーマを変えてイベントが開催される1週間のことで、毎日テーマに沿った洋服を学校に着ていくことで知られている。その日は「スカンク・セレブレーション・デー(Skunk Celebration Day)」というテーマになり、児童らはスカンクに敬意を表し、スカンクの色である黒と白の服を身につけていた。

カウチ校長は「1週間の私たちの生活を一変させたこのスカンクに敬意を表して、スカンクのお祝いの日を設けようと決めました。スカンクは小さいけれどパワフルな動物です」と述べている。

また騒動の発端となったスカンクには、“サルディニア(Sardinia)”という名前がつけられた。これは捕獲するために餌として使われたイワシ(sardine)にちなんだものだという。

現在、同校のマスコットキャラクターはサーベルタイガーだが、カウチ校長によると「スティーブンソン・スカンクス(Stevenson Skunks)」はいい響きなので、マスコットが変更される可能性もあるとのことだ。

今回のニュースには、人々から「かわいすぎる、でもいたずら好きな感じ」、「悪臭のためだけに学校を閉鎖するなんてやりすぎなのでは? 窓を開けて、扇風機を数台回せば大丈夫でしょう」といった声があがっている。

画像は『CTV News Winnipeg 2023年3月22日付「Winnipeg school pays homage to skunk that forced relocation」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)