両親に交際を反対され別々の道を歩んでいたアメリカ在住のカップルが、約50年ぶりに再会し結婚した。別れてからもその存在が心の片隅から離れなかったと話す夫はSNSで妻を探し出し、連絡を取ることに成功したという。2人が再会したのは数年前のことだが、このほど地元メディアが報じたことで話題となっている。『The Sun US』『The Mirror』などが伝えた。

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米ミネソタ州ノースフィールド出身のカレン・ヴィナーさん(Karen Vinar)と夫のデニーさん(Denny)が最初に出会ったのは、今から60年以上前のことだ。

1961年、わずか15歳だったカレンさんは交際中だったデニーさんとの子供を妊娠した。しかし彼女の両親は2人の結婚を許してはくれず、赤ちゃんを養子に出すよう勧めたという。

カレンさんは当時のことをこう振り返った。

「高校生だった頃、デニーは放課後毎日のように家まで送ってくれて、休日にはダンスやスポーツ観戦に連れて行ってくれました。15歳で妊娠が分かった時、彼との交際に反対していた両親は私を未婚の母を受け入れる施設に送りました。その後もデニーは私たちを訪ねて来てくれました。娘が生まれてから養子縁組に出されるまでのたった1時間だけ私は娘を抱くことができたんです。そして写真を撮ってもらったのが最後の思い出です。」

その後も2人の交際は続いたといい、デニーさんがドイツでの兵役を終えて帰国した際にはカレンさんに改めてプロポーズをしたそうだ。しかしその時もカレンさんの両親の同意を得られず、最終的には別れることになったという。

「デニーからのプロポーズに私はイエスと答えました。でも両親の答えはノーでした。両親はまだ20代前半だった私にミネソタ大学でインテリアデザインの学位を取ってほしいと願っていたのです。」

そう語ったカレンさん。それから徐々にデニーさんからの連絡は途絶え、やがて新しいパートナーに出会ったそうだ。

50年以上も別々の道を歩んできた2人が再会したのは2014年のことで、デニーさんはそのきっかけを次のように明かしている。

「2014年にディナーパーティーに参加した時、そこにいた医師から『もし余命が60日と告げられたら誰と一緒に過ごしたいですか?』と聞かれたのです。それでカレンのことを探そうと思いました。別れてからも彼女のことを考えないことはなかったし、ずっと心の片隅にいましたから。それからSNSで当時ワシントン州で暮らしていたカレンを探し出し、メッセージを送ったんです。その後すぐに彼女から電話をもらいました。『どうやって私を見つけたの?』と驚いていましたね。」

それから3か月が経ち、2人はついに再会することとなった。そしてその3日後には結婚し、ミネアポリスに引っ越したという。

「まさに魔法のようでした。彼女は車から降りると私に飛びついて『ただいま』と言ったのです。3度目の正直でプロポーズがようやく叶いました」とデニーさん。一方のカレンさんは「彼の輝くような笑顔もえくぼも何も変わっていないように感じました」と振り返った。

そして2016年、夫妻は手放した娘のジーン・ヴォクスランドさん(Jean Voxland)との再会を果たした。

「私たちが結婚してからもデニーはずっと『何かが欠けている』と言っていて。なので娘を探そうと提案しました。それで昔、私が過ごしていた施設に連絡をして協力してもらったんです。何通か手紙のやりとりをして、2016年にやっと会うことができました。」

実の両親からの連絡に最初は戸惑ったというジーンさんは、初めて会った時の心境をこう吐露している。

「一度も会ったことのない実の両親がドアの向こうから歩いてきたのはとても感動的でした。特に父の顔を近くで見た時には本当に驚きました。だって今まで一度も自分に似てる人と出会ったことがなかったのですから。本当に衝撃的でした。」

長い間離れ離れだった家族は現在も良好な関係を築いているそうで、デニーさんは「私たちの愛情は誰にも負けません。60年経った今でもです。信じられないですよね。私たちの幸せはこれからもずっと続くことでしょう」と述べている。

画像は『The Sun US 2022年3月5日付「SWEETHEARTS REUNITED I was forced to give up my baby at 15 - but my teen boyfriend found me on LinkedIn 50 YEARS later & now we’re married」(Credit: WCCO)(Credit: Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)