インチダウンは大丈夫?

クルマをカスタムするときの定番アイテムがホイールだ。

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そして、当然のように、それまでよりも大きいサイズのホイールを選ぶ。いわゆる「インチアップ」という手法だ。


インチアップによるカスタムは一般的だが、スタッドレスタイヤを選ぶ際には、費用を考えてインチダウンを選択する人も

ホイールを大きくさせることで見栄えをよくしようというわけだ。

このとき、タイヤの外径を変化しないようにタイヤは薄いもの、つまり扁平率の数字の小さいタイヤをあわせて装着する必要がある。

タイヤの扁平率の数字が小さく、低くなるほどに、タイヤの剛性が高まり、シャキッとした走行フィーリングを得ることもできる。

しかし、その逆はダメなのだろうか。

「インチダウン」は、どうなのかということだ。

例えば、スタッドレスタイヤをホイールとセットで購入しようというときに、ホイールのサイズを小さくする。

ホイールはより小さい製品を選び、タイヤもそれにあわせて扁平率の数字の大きな製品とする。

こうすることで、確実に費用を抑えることができる。

しかし、不都合なところはないのか? 

デメリットはないの?

そこで、タイヤの専門家であるタイヤメーカーにたずねてみることにした。質問を投げかけたのは、横浜ゴムの広報担当者だ。

「前提として、当社としては、スタッドレスタイヤはサマータイヤの純正サイズを推奨しているためインチダウンはおすすめしておりません」と、横浜ゴムの広報担当者。


タイヤのサイズを変える場合はデメリットもあることを理解する必要があると筆者はいう

なかなか厳しい答えだ。たしかにメーカー推奨をこえるサイズ変更は、安全のためにもおすすめできない。

しかし、メーカー推奨のタイヤサイズの中でも、いくつかのサイズが設定されているものがある。

たとえば、トヨタのプリウスであれば、サマータイヤに「195/65 R15」もあれば、「215/45 R17」もある。

その中で小さいサイズを選ぶとどうなるのだろうか。

「一般論として、スタッドレスタイヤのインチダウンのデメリットは、『外径を純正サイズにあわせる必要があるため、扁平率が上がり、ドライ(乾燥)路面でのふらつきが大きくなる』、『接地面積が小さくなり氷上制動性能は低下する』というものがあります」という。

「また、メリットとしては『購入価格を抑えることができる』、『外径を純正サイズにあわせる必要があるため、扁平率が上がり、クッション効果が向上するため乗り心地がソフトになる』、『接地幅が狭くなるので、接地面圧が高くなり、雪上の発進、制動は若干向上する』などがあります」という。

つまり、デメリットは雪のない乾燥路面でのふらつきが大きくなることと、氷上でのブレーキ性能の低下だ。

メリットは、安価であること、乗り心地がよくなること、そして雪上の発進とブレーキが若干よくなることだ。

インチダウンするときは、メーカー推奨の枠の中で、良いことと悪いことを、しっかりと理解して、自己責任で実施するということだろう。