米フロリダ州南部にある広大な湿地帯「エバーグレーズ」は野生動物の宝庫と言われ、ワニや野鳥などが多数生息する。そんなエバーグレーズで先月末、湿地帯のツアー中に捉えられた動画がTikTokに投稿され物議を醸した。『TechEBlog』などが伝えている。

【この記事の動画を見る】

米ニューヨーク出身のTikTokユーザー「Devhlanger」さんが先月22日、エバーグレーズの湿地帯で撮影したワニの動画を投稿した。

動画では水中から頭を出しているワニの頭上30センチくらいの位置にドローンが飛んでおり、ワニは上下に動くドローンをじっと見つめている。

「あれを餌だと思っているのかしら」と話す女性の声が響き、ツアーの参加者らがワニに注目しているのが分かる。そしてドローンが前方に動いた瞬間、ワニは口を大きく開けて頭を後方に反り、ドローンに食らいついた。

すると周囲からは一斉に「おおおおお!」と叫び声があがり、ある女性は興奮して「オーマイガー、ワニが食べているわよ」と絶叫している。

この動画には「エバーグレーズのワニをもっと近くで見ようとしているところ。ワニが電池を噛み砕こうとするから、最後まで見ていてよ!」と言葉が添えられており、「Devhlanger」さんは数日後、ワニのその後を捉えた動画を投稿した。

その続編では、“ジョージ”と名付けられたワニが白い煙に包まれているのが映し出され、異常な事態に「ジョージ、何やってんだ!」「食べないでよ、ジョージ」「ジョージ、ノー」「なんてこった!」「消化できるといいけど」「電池を潰しやがった」「さっさと帰りましょうよ」「まだ生きているようだから、大丈夫だよ」といった声が飛び交っている。

しかしながらジョージが口を動かせば動かすほど煙はモクモクとあがり、面白がって笑い出す者もいる。

なお痛々しいワニの姿はGoogleのCEOサンダー・ピチャイさんがシェアして拡散し、次のような厳しいコメントが殺到した。

「ドローンにはリチウム電池が使われているだろうから、ジョージは身体の内部に怪我をして生きてはいないだろうね。」
「なんで笑っていられるんだ!」
「苦しんだはず。」
「ドローンを操縦していた奴は罰を受けるべき。」
「フロリダでは野生動物を虐待するのはクラス3の重罪だよ」
「フロリダ州魚類野生生物保護委員会に動画を送ったよ。処罰されるべきだ。」
「エバーグレーズ国立公園内ではドローンが禁止されているはずだよ。」
「あんな近くでドローンを飛ばしたらどうなるか、わかっていたことでしょう。虐待。」
「信じられない。この動画が面白いと思っているなら大きな間違いよ。」

これらの批判を受け「Devhlanger」さんは、「これを撮影したのは国立公園の外で、私たちはツアーに参加していただけ。それに私は撮影者でドローンを操縦していない。これはアクシデントで故意ではないし、ドローンの操縦者の経験が浅かったということ。怒りは私たちではなくワニ農場に向ければいい」と反論。その後2つの動画を1本にまとめたものを新たに投稿し、「ワニは無事だった。その後もまだお腹が空いている様子だった」と説明した。

実際のところワニはどうなったのか…。『New York Post』は「ワニの運命については不明」としている。

ちなみに昨年11月にはフロリダ州で、体長4メートルの巨大ワニが身体を反ってカモを丸飲みする姿が捉えられた。ワニはカモ狩りを楽しんでいた男性らが仕留めたカモを“横取り”したという。

画像は『Devhlanger 2021年8月22日付TikTok「#FYP #Everglades」、2021年8月31日付TikTok「Part 2 of alligator eating my drone」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)