人間同士でも分かり合えないことは往々にしてある。ましてや犬と鳥ではどうなのだろうか? オーストラリアのある一家では、スタッフォードシャー・ブル・テリアとカササギの間に親子のような強い絆が生まれたという。『Metro』『The Dodo』などが伝えている。

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豪クイーンズランド州クーメラに住むジュリエットさん(Juliette)は昨年9月、飼い犬“ペギー(Peggy、1)”と散歩中に草むらの中で怪我をして動けなくなっているカササギを見つけた。ペギーが吠えて知らせたためだった。

ジュリエットさんは瀕死の状態だったカササギを保護して地元の野生動物専門家に相談すると、パートナーのリースさん(Reece)と一緒に自宅で世話をすることにした。

「カササギに“モーリー(Molly)”と名付け、しばらく様子を見ることにしましたが、モーリーは丸一日眠り続けて『もうダメかもしれない』と思いました。それでもなんとか持ち直し、1週間後にはだいぶ元気になりました」と当時を振り返るジュリエットさん。その後のモーリーとペギーとの関係については、次のように述べている。

「ペギーは当初、モーリーを遠目に見て怖がっていましたが、日に日にその距離を縮め、モーリーのくちばしに鼻を近づけて臭いを嗅ぐまでになりました。こうしてペギーとモーリーは毎日一緒に過ごすようになり、お互いに離れることができない存在になったのです。」

一方でジュリエットさんは、すっかり回復したモーリーがいつでも飛び立っていけるように全ての窓やドアを開け、トカゲや虫などの餌の取り方を教えたという。しかしモーリーがこの家を去ることはなく、ジュリエットさんはいつしかこんなふうに思うようになったそうだ。

「きっとモーリーは、自分のことを犬だと思っているのでしょう。それでペギーがすることを何でも真似するのです。ペギーは窓のそばに座って外の木や鳥を眺めていることが好きなのですが、モーリーもすぐ隣で同じように外を見ているのです。」

「ペギーとモーリーは朝に目覚めた時から寝る時までいつも一緒です。モーリーがペギーの上に乗っていたり、手(足)をつないで寄り添っていたことさえあるのです。ペギーがモーリーの羽づくろいをすれば、モーリーはペギーの顔についた食べ物を嘴で取ってあげるのです。その関係はとても美しいと思います。」

「一番驚いたことは、モーリーがやってきて3週間後にペギーのお乳が出るようになったことです。獣医のもとに連れて行くと、偽妊娠だと言われましたが、ペギーはモーリーのことを娘だと、モーリーはペギーのことを母親だと思っているようです。モーリーはそんなペギーのお乳をつつくので、ペギーにはTシャツを着せて対処したほどです。それにモーリーとペギーは自分たちだけが理解できる言葉を使って話をしているようで、それは見ているだけでも可笑しいんですよ。」

なおジュリエットさんはペギーとモーリーの様子をInstagramやTikTokに投稿しており、出会いから8か月が経った今でも、モーリーはペギーのそばにぴったりと寄り添っているようだ。

ジュリエットさんは「モーリーがやってきたことは、私たち家族にたくさんの幸せをもたらしてくれました。モーリーが『ここにいたい』と思ってくれている間は、大歓迎ですよ」と述べている。

画像は『Interspecies friendship 2020年11月8日付Instagram「I can’t believe the weekend is over already」、2020年10月27日付Instagram「Smoochtime」、2020年11月16日付Instagram「It’s going to be another really hot day today」、2021年1月21日付Instagram「Happy Thursday frens」、2020年11月6日付Instagram「Woo Hoo」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)