[画像] 海洋放出決定 「海洋保護・水産物の安全を徹底管理」=韓国政府

【ソウル聯合ニュース】韓国の朴俊泳(パク・ジュニョン)海洋水産部次官は13日、日本政府が東京電力福島第1原発の処理済み汚染水を海洋放出する方針を決めたことに関連し、「海洋環境保護と水産物の安全管理を中心に必要な措置を尽くす計画だ」と明らかにした。

 朴氏は、この日午後に開いた緊急記者懇談会で「政府は国民の健康に危害を及ぼす可能性のあるどのような措置にも妥協せず、国民の安全を最優先の原則とする」と述べた。

◇韓国主要海域で放射性物質調査拡大 汚染水放出時は船舶の寄港自粛

 日本政府はこの日午前に開いた関係閣僚会議で、福島第1原発のタンクに保管中の汚染水を最長2051年まで海洋に放出する方針を決定した。

 これを受け、海洋水産部は今年、東海・南海や済州島など13の主要海域に対する海洋放射性物質の調査回数を4回から6回に増やす計画だ。

 日本に寄港した船舶が、日本の海域でバラスト水(船舶のバランスを保つためタンクに入れる海水)を載せて韓国に入港するケースについても、バラスト水に混じった汚染水が海に直接排出されないよう徹底的に管理することを決めた。

 今後、海洋放出が実際に行われれば、福島を含め宮城、青森、岩手など6県の17の港湾への韓国船舶の寄港を最大限控える計画だ。やむを得ず寄港する場合は、韓国領海水域の外でバラスト水を交換した後に入港するようにする。

 海洋水産部は現在、福島県と宮城県で注入したバラスト水については全て放射能調査を行っており、青森、岩手、茨城、千葉の4県から入港する船舶に対しては半期に1回ずつ調査を行っている。

◇水産物の安全を徹底管理 海洋環境への影響を精密分析

 朴次官は、水産物の安全性に関して「食品医薬品安全処、海洋警察庁、地方自治体など関係官庁と協力し、徹底して水産物に対する安全管理を行う」と強調した。

 また日本の状況に応じて、汚染水の流入が懸念される海域と遠洋の水産物に対する放射能検査を拡大する方策も関係官庁と積極的に協議していくと説明した。

 朴氏は、原産地表示違反の摘発歴がある水産物や消費者が敏感に反応する水産物を重点品目に指定して通年で集中取り締まりを行い、違反時には厳しく処分すると明らかにした。

 海洋水産部は現在、福島を含む8県からの全ての水産物の輸入を禁止している。他の地域からの水産物は放射能検査を行い、安全性が確認された場合のみ輸入している。

 今年1月には輸入水産物に対する放射能検査の時間をこれまでの1800秒から1万秒に強化し、検査の正確性を大幅に高めた。

 韓国内で採れるサンマやワカメなどの水産物40種に対しても毎年2000件以上の放射能検査を行っている。今年は計3000件以上に検査規模を拡大する予定だ。

◇韓国産水産物の消費萎縮防ぐ対策も

 朴氏は、汚染水による漠然とした不安感や不正確な情報によって安全な韓国産水産物の消費が萎縮しないよう、水産物の消費対策も講じると述べた。

 また、関係官庁とともに検証された正確な情報のみを海洋水産従事者と国民に分かりやすく伝えるとしながら、消費者が原産地を信頼して消費できる環境を作っていくと強調した。 

 原発の処理済み汚染水の放出が実際に行われた場合に韓国内の海域に及ぼす影響に関しては、「汚染水による海洋環境への影響を精密に予測・分析する計画」だと説明した。

 朴氏は、福島第1原発の事故以降に一部の海外機関などが韓国海域に及ぼす放射能の影響を提示したことがあるが、予測の正確性を担保できない状況だと指摘。海洋専門研究機関の韓国海洋科学技術院が海水の放射能予測モデルを高度化しているとして、日本が汚染水の詳細な放出計画を確定した場合、韓国海域に及ぼす影響を最短期間で確認できるように準備していると述べた。

 このほか、海洋環境のモニタリング結果、バラスト水や水産物の放射能検査結果、原産地表示の取り締まりや摘発状況などをホームページとSNS(交流サイト)で公開すると約束した。