[画像] 「KPIやROIの捉え方が、従来の延長線上にはないと思う」:日本アイ・ビー・エム 風口悦子 氏

2021年にも、新しいトレンドは生まれ、役目を終えたトレンドは忘れ去られていく――。

DIGIDAY[日本版]がお届けする、2020年・2021年の年末年始企画「IN/OUT 2021」。この企画では、我々が開催してきたさまざまなイベントでお世話になった、日本のブランドおよびパブリッシャーのエグゼクティブたちへ、新しい1年にトレンドイン・トレンドアウトするであろう事象について考えを伺った。

日本アイ・ビー・エムのパフォーマンス・マーケティングで理事を務める風口悦子氏の回答は、次のとおりだ。

――2020年を総括すると、どんな1年でしたか?



「変」の年―それは変わることを強いられたことであり、自分の意図をもって変えない、変わらないことが何か自覚することでもありました。加えて、デジタル・ファーストへの「変」革も、これまでの苦労が信じられないほどに予期せぬ形で加速を遂げました。

働き方はいうまでもありませんが、お客様のニーズが変わり、それに伴いオファリングもメッセージも、チャネルやチームとの関係も大きく変化した年であったと考えています。そのような環境下において、“Less is truly more” 限られたエネルギーを集中して投資することの価値を知った年でもありました。「必要不可欠なもの」は何か、より本質的なものに焦点が当てられるなかで、その中核となる部分に力を入れながら、競争力を高めための投資をどう振り向けるか、これまで以上に精査されたように思います。

――2021年、必ず押さえておきたいと思う、新しいトレンドは?



2020年においてデジタルへのシフトが進むなかで、営業のチャネル、オンサイトでのエクスペリエンスなど、これまで当たり前だったことの価値を逆に再認識し、その活用を真剣に考えるきっかけとなりました。

今、B2Bにおいて、営業活動とマーケティング活動は、互いを評価し、より密接に連携し、お客様に向かってシナジーを発揮していく環境とテクノロジーが揃ったと感じています。デジタル・フットプリントを追跡し、いかにリードの品質とコンバージョンの確率を高めることができるかだけではなく、マーケティング活動のデータからの知見(MQI)を営業活動のワークフローに組み込んでいくこと、よりきめ細やかなパーソナライゼーションやライフ・タイム・バリューの向上などを実現していくことが2021年の投資エリアです。

また、個人的には、エシカル・テクノロジーに興味があります。セキュリティ、信頼性、透明性、説明責任など人間同様にテクノロジーの「信頼性」がこれからのマーケティングや我々の生活にどのような影響を及ぼすかに注目してゆきたいです。

――2021年、もはや時代遅れと思える、既存のトレンドは?



上述をふまえ、トレンドという観点では思いつきませんが、テクノロジーが進化し、ビジネスモデルや環境も変わるなかで、KPIや投資対効果の捉え方やパフォーマンス評価はこれまでの延長線上ではないように思います。その認識、設定とプロセスを軽視していると、時代遅れになっていることに気づかないこともあるので、常に意識してまいりたいとおもいます。

- 年末年始企画 [IN/OUT 2021] Brands の回答一覧
- 年末年始企画 [IN/OUT 2021] Publishers の回答一覧

Edited by DIGIDAY[日本版]編集部