首都圏の私鉄・バス事業者などが加盟するPASMO協議会は、交通系電子マネーPASMO(パスモ)のスマホ版「モバイルPASMO」のサービスを2020年春から提供すると発表しました。

従来のPASMOカードと同じように電車やバス、お店での買い物などに利用できる交通系電子マネーで、スマホからクレジットカードでチャージする機能も搭載。さらにPASMO加盟会社の一部の定期券を購入することもできます。

当初の対象機種は、Androidスマートフォンのみ。より具体的な要件として、Android 6.0以上がプリインストールされた機種かつ、おサイフケータイの対応機種であることが挙げられています。

本日1月21日に、PASMO公式サイト上に新サービスの予告ページが公開されました。具体的なサービス開始日、サービスや対応機種の詳細については、2020年3月初旬に案内するとしています。

これまで、携帯電話やスマートフォンの交通系電子マネーでは、JR東日本のSuicaのみが発行できるという、一種の独占状態で、モバイルSuicaでもPASMOエリアの乗車は可能ですが、定期券はJR東日本を利用する経路しか発行できないという制限がありました。

モバイルPASMOのサービス開始により、首都圏の私鉄沿線のユーザーもスマホで定期券を発行できることになります。付言すれば、スマホのおサイフケータイ機能がJR東日本以外の交通系事業者にも開放されたことによって、PASMOエリア以外の交通系IC事業者からも同様の「モバイル○○」が登場する可能性もあります。

なお、モバイルPASMO定期券を発行する鉄道事業者は、小田急電鉄、京王電鉄、京成電鉄、京浜急行電鉄、埼玉高速鉄道、相模鉄道、首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)、新京成電鉄、西武鉄道、千葉都市モノレール、東急電鉄、東京メトロ、東京都交通局(都営地下鉄など)、東武鉄道、北総鉄道、ゆりかもめ、横浜高速鉄道(みなとみらい線)、横浜市交通局(横浜市営地下鉄)、横浜シーサイドラインが対象。

バス事業者では小田急バス、江ノ電バス、川崎市交通局(川崎市営バス)、関東バス、 川崎鶴見臨港バス、京王電鉄バス、京成バス、西武バス、相鉄バス、立川バス、東急バス、東京都交通局(都営バス)、西東京バス、日立自動車交通、横浜市交通局(横浜市営バス)がPASMO定期券の発売予定事業者となっています。

【追記:2020年1月21日 18時00分】
PASMO協議会の広報担当者によると、iPhoneへの対応については「対応するかどうかも含めて未定」と説明。モバイルSuicaと共存できるのかなど、仕様面の詳細については「調整中」としています。

関連:「モバイルPASMO」はApple Pay対応? モバイルSuicaと共存は?PASMO協議会に聞いた

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Source: モバイルPASMO