Twitter が「会話に参加できる人」、つまりツイートにリプライできる人の制限オプションを予告しました。

年内に提供予定のアップデート後は、ツイートを入力する際に「グローバル」(従来どおり誰でもスレッドに参加できる)や「グループ」(自分がフォローしているユーザーとメンションしたユーザーのみ)など、会話に参加できるユーザーの種類を選択できるようになります。

Twitter は従来、 オープンな対話を促進する云々のミッションから、プライベートな会話には鍵付きアカウントやグループDMを、それ以外に発信する際は誰からでも返信が届き、ツイートの下に並べられて「会話」の体裁になることを許容する仕組みになっていました。

しかし著名人やトラブルの当事者など、何をツイートしても無関係な罵詈雑言が大量に届いたり、あるいは光過敏性発作を起こさせる点滅アニメーションが送りつけられるなど嫌がらせの問題も深刻で、そもそもツイッターを使わない、アカウントを消す選択肢を選ぶユーザーも多数います。

といった流れで予告されたのが、ツイート入力時の「Conversation participants」(会話参加者)選択オプション。現時点のテストでは4種類が用意されています。それぞれ、

グローバル:従来どおり誰でも。ブロックや隠された返信がetcも現行どおり。

グループ:ツイート主がフォロー中のアカウント、およびそのツイート内でメンションしたアカウントのみ。

パネル:ツイート内でメンションしたアカウントのみ。

ステートメント: 誰も返信不可。

広く返信を募るような、せめて許すような使い方ではグローバルを、最初から決まった相手または自分が選んだ相手とのやりとりだけにしたい場合はグループやパネルを選択することになります。

ステートメントはたとえば告知事項がある場合。広く読まれたい一方、予測できない相手からの不規則発言や正義の怒りリプライがぶら下がって、第三者からワンセットで読まれるのは避けたいときなどが考えられそうです。

それぞれのオプションはツイートの下に表示されるため、どう考えても炎上したり嫌がらせが殺到しそうなツイートが平和だったりする場合は、外から見て区別できるようになります。

Conversation participants の選択オプションは、さらなるテストを経て年内に提供予定。



嫌がらせ対策は喫緊であるとして、許しがたい欺瞞的なツイートに正当な批判ができないのはおかしい、いつ手斧や意図しないコメントが飛んできても受け入れるのがツイッターである、という反応はありそうですが、正義の怒りツイートと嫌がらせツイートは外から区別できない、あるいはツイッターとして妥当なコスト内で判断し難いのも事実。

ツイッターはネット上の嫌がらせで訴訟沙汰や自殺者まで出すことに対してプラットフォームとしての責任を問われていると同時に、当事者に対して「ツイッターをやめる」以外の選択肢を用意してプラットフォームを維持したい立場です。

このオプション提供でツイッターイズデッドになるかはともかく、「承認されたコメントのみ表示されています」なページや、そもそも第三者に見える形でのコメント欄がないような発信のしかたも載せられるサービスにする判断であるとはいえます。

危険なデマに対して真実をリプライして正したいという状況はありますが、リプライのほうが悪質なデマなのかを誰が判断するかという話もあります。

ツイッターもこのリスクについて認めており、問題があるツイートに対して引用ツイートできるようにすること、特定ツイートに対する引用ツイートを確認しやすくすることを検討中としています (たとえば「引用ツイート一覧」ボタンだとしたら、それはそれで真下につながらないコメント欄のような気もしますが)。企業アカウントの謝罪は基本「ステートメント」になりそうです。

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