(台北中央社)クー・チェンドン(柯震東)主演の台湾ドラマ「乩身」のクランクイン記者会見が10日、台北市内の撮影所で行われた。台湾ドラマとしては破格の1億8000万台湾元(約6億4200万円)が第1季全6話に投じられる予定。チェンドンは2014年の大麻事件以来、初のドラマ出演となる。

会見にはチェンドンのほか、ソニア・スイ(隋棠)、ワン・ポーチエ(王柏傑)ら主要キャスト、ライ・ジュンユー(頼俊羽)監督などが出席した。

同作は台湾の宗教文化を題材にした作品で、台湾の作家、星子の同名ファンタジー小説をドラマ化した。過ちを犯し、道教の神様「三太子」から罰を下された主人公が、贖罪と家族を救うために三太子の霊媒となり、三太子から与えられた降霊の道具を使って悪霊の間をさまよい、スリルに満ちた様々な事件を解決していく―という物語。映像制作会社MM2エンターテインメント(満満額娯楽)や配給会社の采昌国際多媒体、グッド・フィルムズ・ワークショップ(好好電影工作室)が共同で手掛ける。

チェンドンは2014年8月、大麻吸引容疑で中国で身柄を拘束され、同月釈放されて以降、俳優活動が停滞している。三太子に憑依されるという今作の役どころについては、「主人公は罪を犯したから償わないといけない。これは私にはとても想像しやすい」と自身の経験を重ね合わせた。役作りのため、台湾各地の寺廟を監督と巡り、「童乩」(タンキー)と呼ばれる霊媒師に話を聞いたという。

台湾ならではの題材のジャンル化にかねてから興味を持っていたというライ監督。小説を読み終わった際、「台湾人の生活に根ざしている宮廟文化をよく表している」と感じ、ドラマ化を決めたと明かした。

(陳秉弘/編集:名切千絵)