フラグシップ一辺倒だったソニーモバイルの日本市場戦略に、変化の兆しが見えてきました。同社の田嶋知一氏(商品企画部門長)は、Engadget日本版に掲載したインタビューにおいて、3キャリアの分離プランに対応するため、普及価格帯Xperiaの国内投入を検討していると明言しました。

これまでのソニーモバイルは、日本市場ではフラグシップ端末に注力。海外では発売しているXperia XAシリーズなどのミドルレンジ・ローエンド端末は投入してきませんでした。

一方で国内市場は急速に変化しています。au・ソフトバンクに続き、NTTドコモも4〜6月に端末代金と通信料金を切り離す「分離プラン」を導入予定。

この分離プランは、通信料金を値下げするかわりに、月々サポートなどの端末値引きを廃止するもの。この導入で通信料金は安くなる一方、端末代金は高騰します。このため、ドコモの吉澤社長は『ミドルレンジの端末を充実させる』と語っており、分離プラン導入後は3〜6万円程度の普及帯スマホが増える見通しです。

分離プランで『端末に対する考え方が変わる』


ソニーモバイルの『フラグシップ一辺倒』からの方針転換も、こうした状況を踏まえたもの。

同社の田嶋氏は『日本国内では料金体系が変わり、分離プランが入ると端末に対する考え方も変わってきます。(Xperia 1のように)好きを極めたいが、そんなにお金を払えない方もいます。ここに向け、普及価格帯で"好きを極める"商品を導入することも検討したい』と説明しています。

またソニーモバイルの広報担当者は『具体的な製品名については特に言及しておりませんが、田嶋がMWCにて、日本国内に向けて普及価格帯、いわゆるミッドレンジの商品投入を検討していると発言したことは事実でございます。現時点で具体的にご案内できる内容はございませんので、ご案内できるタイミングをお待ちいただけますと幸いです』とコメントしています。

▲「Xperia 10」は「Xperia 1」と同じ21: 9ディスプレイながら価格を抑えた

なおソニーモバイルは、「Xperia 1」と同じ21:9ディスプレイを備えながら、価格を抑えた「Xperia 10 / 10 Plus」をMWC19で発表しています。しかし、日本では必須とも言われる防水には非対応です。もしかすると、存在が噂されている未発表の新型Xperia Compactが、これに該当するのかもしれません。

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