トゥトベリーゼ氏がSNSでワリエウに言及し注目度急上昇

 次々に新星が誕生しているロシアのフィギュアスケート界。今度は12歳の名前が現地メディアを騒がせている。平昌五輪を制したアリーナ・ザギトワやロシア選手権を制したアンナ・シェルバコワ、アレクサンドラ・トルソワらを指導する名伯楽エテリ・トゥトベリーゼコーチの秘蔵っ子として注目を集めているのが、12歳のカミーラ・ワリエウだ。2022年の北京五輪の金メダル候補として、スポットライトが当たっている。

「トゥトベリーゼ氏がその選択で驚かせた。幼いスケーターがザギトワより良かった」と題して特集しているのは、ロシア紙「コムソモリスカヤプラウダ」だった。

「エテリ・トゥトベリーゼ氏が数年にわたってコンベアーシステムのように高いクラスのスケーターを送り出してきたのは周知の事実だ。今回、高名なコーチは自身の告白によってファンたちを驚かせた。彼女は12歳の教え子、カミーラ・ワリエワのプログラム『玉乗りの少女』をピカソの絵とともに今シーズンで一番お気に入りのプログラムと名付けた」

 記事ではトゥトベリーゼ氏が自身のSNSで今季1番のお気に入りプログラムとして、ワリエウの写真をピカソの名画「玉乗りの少女」と並べて画像で公開していたことを紹介。そして注目すべきは、同氏の選択が全く予測できなかったものであるとしている。

「その選択が五輪女王、アリーナ・ザギトワの演技ではなく、彼女と同じグループで練習する潜在的なライバルのものであったということだ」

 記事ではワリエウがフィギュアスケートの奇跡と呼ばれていることを紹介。さらに「主に彼女の優れているところは、リズムのある優美な動作法と素晴らしい手と体の使い方だ」と称賛し、ワリエウのこれまでのフィギュアスケート歴を紹介している。

「彼女はそのキャリアをカザンで始めた。2012年に彼女はモスクワに引っ越し、スポーツスクール『モスクヴィッチ』で練習してきたが、トゥトベリーゼ氏が彼女を自分のグループに引っ張ってきた」

「トゥトベリーゼ氏が五輪の金メダル候補者として見ているのは明白」

 同紙によると、ワリエウは今季、モスクワ杯に出場しショートプログラム(SP)では3回転フリップと2回転アクセルを跳び、演技後半に3回転ルッツー3回転トウループのコンビネーションを決めたという。そして「注目すべきは、彼女の体をぴったり覆ったコスチュームがピカソの絵画のヒロインの衣装を思い出させることだ」と続けている。

 これまでにトゥトベリーゼ氏が才能溢れるジュニアを指導した実績として、記事ではユリア・リプニツカヤ、エフゲニア・メドベージェワ、アリーナ・ザギトワ、アレクサンドラ・トルソワ、アリョーナ・コストルナヤ、アンナ・シェルバコワの名前を挙げている。

 さらに「現時点でワリエワは年齢のためジュニアの国際大会にさえ出場できない。しかし、トゥトベリーゼ氏がワリエワを2022年北京冬季五輪の主要な金メダル候補者として見ているのは明白だ。この場合において、彼女の年齢は大きくプラスに作用する」ともつづり、ぎりぎりで北京五輪に出場できる年齢であることも紹介している。

「これはトゥトベリーゼ氏自身が指摘していることだが、ワリエワはスーパースターになるすべての要素を持っている。大切なのはケガが邪魔しないことだ」

 日本では紀平梨花(関大KFSC)、宮原知子(関大)、坂本花織(シスメックス)らが期待を集めることになりそうな3年後の北京五輪。フィギュア大国ロシアからまた注目の1人が登場した。(THE ANSWER編集部)