ファミコン」(ファミリーコンピュータ)は、登場から35年が経ち、いまだにゲーム機の代名詞となっている。新たなファミコンカセットは、1994年発売の「高橋名人の冒険島?」を最後に大手ソフトメーカーでの開発・発売はされていなかった。

ところが、最近になってファミコンやスーファミ(スーパーファミコン)の新作ソフトが続々と登場している。

なせ?
その背景を見てみよう。


●新作ファミコンカセットが続々と登場
2016年にファミコンで8ビットミュージックを奏でる『8BIT MUSIC POWER』がコロンバスサークルから発売され、20年以上ぶりの新作ソフトとして注目を集めた。

それに続いて、アクションゲームの『キラキラスターナイトDX』『NEO 平安京エイリアン』などが登場した。今年9月には、海外のみで販売されていた『バトルキッド 危険な罠』が、日本版として登場する。

いずれもなつかしいカセット型のカートリッジにゲームが納められている。
ファミコンにガチャッと挿して、ファミコン時代のように遊ぶことができる。

また、スーファミ向けのソフトも登場している。
人気シューティングゲームの『R-TYPE III』と『スーパーR-TYPE』がセットになって復刻した。
対戦格闘ゲーム『SFC魔界狩人 The Darkness Hunter Unholy Night』などのオリジナルタイトルも登場している。


●人気がおとろえないレトロゲーム
ファミコンやスーファミが製造終了となって久しい。
しかし世界的にレトロゲームのファンは、いまだに多い。
レトロゲームは、8ビットや16ビットのハードウェア制限から、ドットが粗い画面のゲームが多い。
レトロゲームファンには、
・子供のころ遊んだゲームにノスタルジーを感じる世代
・レトロゲームを知らず新鮮に感じる若い世代
こうした幅広い世代の人たちがレトロゲームのブームを支えている。
秋葉原で中古ゲームソフトを扱う「スーパーポテト」や「BEEP」「トレーダー」といったお店には、世界中の観光客が訪問するほどだ。

こうした水面下の流れを表舞台に戻したのが、
任天堂が2016年11月に復刻した「ニンテンドークラシックミニファミリーコンピュータ」(通称ミニファミコン)だ。

あまりの人気に、しばらく品薄の状態が続くほどだった。
本体サイズを約60%に縮小し、ゲームカセットを挿すことはできないが、あらかじめ内蔵された「スーパーマリオブラザーズ」など人気30タイトルのゲームを遊ぶことができる。

翌年には「ニンテンドークラシックミニスーパーファミコン」(通称ミニスーファミ)を発売し、これも人気となった。

さらに今年の9月には、2つのゲーム機をセットにした「ニンテンドークラシックミニ ダブルパック」が発売となる。

こうしたレトロゲーム人気は、任天堂にとどまらない。
SNKは「ザ・キング・オブ・ファイターズ」などの人気ゲームを収めた「NEOGEO mini - SNK」を発売した。
こちらも既に品薄になるほどの人気製品だ。
いずれも内蔵ゲームのみで遊ぶことができ、カセットの挿入などはできない。


●ファミコンカセットでどうやって遊ぶ?
さて、自宅にかつてのファミコンやスーファミがいまだにあるなら、新作カセットを買ってきて、遊ぶことができる。

とはいえが、10年、20年と経過する中で、完全に動作する機器は少なくなっている。

現状、ファミコンカセットを遊ぶには次のいずれかの方法がある。
1.自宅にあるファミコンで遊ぶ
2.自宅のファミコンを修理する
3.中古ファミコンを買う
4.ファミコン互換機を買う

1〜3は意外にハードルが高く、
実はもっとも簡単なのが4となる。
もっとも安価なファミコン互換機なら、Amazonなどで1000円台から購入することが可能だ。

ただし互換機の場合、完全な互換性能を保証されてはいない。
したがって、ゲームと互換機の相性によって動作しなかったり、サウンドが鳴らなかったりするなどの不具合が発生することがある。
新作ゲームの中には、互換機ごとの動作情報が掲載されている場合があるので、確認するとよいだろう。
互換機を使えば、押し入れから掘り出した懐かしのゲームや、中古で購入したゲームでも遊ぶことができる。

PlayStation 4やNintendo Switchなど、最新ゲーム機で遊ぶのは、当然、楽しい。
しかし、一番ゲームに熱中した子ども時代のレトロゲームは忘れられないものだ。

時には、レトロゲームで遊んでみてはいかがだろうか。