8月14日(現地時間)、セリエAのローマは、スペイン・セビージャからフランス代表MFのステベン・エヌゾンジを獲得したことを、公式サイト等で発表した。
 
 契約期間は2022年6月30日まで。移籍金は2665万ユーロ(約34億6000万円)で、出来高で400万ユーロ(約5億2000万円)が、選手、セビージャの両方に支払われることになる。背番号は42に決まった。
 
 197センチの長身を誇るMFは、闘争心溢れるプレーを身上とし、恵まれた体躯を活かしたボール奪取の他、優れたパス配球能力を有し、さらにフィニッシュでも強さを発揮するなど、武器の多い選手である。
 
 フランス代表として9試合に出場。先のロシア・ワールドカップでは5試合でプレーして母国の世界制覇に貢献したが、なかでもカンテに代わって55分に緊急出場し、クロアチアの攻撃にしっかり対応した決勝戦での働きぶりは印象的だった。
 
 セビージャで3シーズンを過ごし、2015-16シーズンにはヨーロッパリーグ優勝も経験した29歳は、「ローマの選手になることができて、とても幸せだ。自分のプレーと経験で、チームの役に立ちたい」と抱負を語っている。(公式サイトより)
 
 一方、昨夏までセビージャに所属していたことで、エヌゾンジのことをよく知り、他国のビッグクラブも興味を示した彼の獲得に尽力したモンチSDは、「フィジカルとテクニックが融合した、高いクオリティーを誇る選手だ。彼の加入で、ローマの中盤は戦闘力を増す」と、称賛と期待の言葉を残した。
 
 今夏、ローマはナインゴランをインテルに送り出したことで中盤の補強が急務といわれていたが、すでにパストーレをパリ・サンジェルマンから獲得して攻撃力を高め、さらに運動量もあって攻守で力を発揮するエヌゾンジを獲得したことで、むしろ昨シーズン以上の力を有することになったとも言えよう。
 
 さて今夏のローマといえば、アタッカーのマウコム獲得でボルドーと合意に達しながら、その後にバルセロナに“強奪”されたことが話題となったが、このポジションの補強についても、完了に近づいているという。
 
 新たに到来しそうなのは、シャフタール・ドネツク所属のブラジル代表MF、タイソンだ。30歳のテクニック溢れる右利きの選手で、攻撃的なポジションなら、左右中央のどこでもプレーできる。
 
 タイソンは自身のインスタグラムで「良いことが起こった」と綴っているが、これはローマからオファーを受けたことを指しているようだ。このなかでは、ローマのブラジル人DFファン・ジェズスの「イタリアに来るの?」という書き込みに対し、「行くよ!」と返すやりとりも見られる。
 
 また本人だけでなく、彼の代理人も「イタリアから打診があり、移籍が成立する可能性は十分にある」と認めている。なお、タイソンには母国のクラブ、インテルナシオナルも興味を示しているというが、現時点で彼にブラジルに帰る気はないようである。
 
『CalcioMercato.com』によると、シャフタールから獲得するのに必要な移籍金額は、2500万ユーロ〜3000万ユーロ(約32億5000万円〜39億円)といわれている。
 
 国内のライバル、ユベントス、ナポリ、ミラノ勢を上回る積極的な補強を展開している今夏のローマ。昨シーズン、チャンピオンズ・リーグ準決勝まで駒を進めた首都のクラブは、スクデット、ビッグイヤーを手にするため、豊富かつ強力な陣容を整えようとしている。