早すぎる終戦、スペイン紙が「敗退の戦犯たち」を特集

 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会は1日、決勝トーナメント1回戦でスペインがロシアに1-1(PK3-4)で敗れ、16強でまさかの敗退を喫した。前半39分にDFジェラール・ピケがエリア内で痛恨のハンドを犯し、PKで追いつかれると、その後は圧倒的にボールを支配しながらも決め手を欠いた。開催国ロシアに大金星を献上した“無敵艦隊”。母国メディアは、“戦犯”を探る特集を組んでいる。

「スペインのワールドカップ敗退の戦犯たち」と題して大会を振り返っているのは、スペイン紙「20ミヌートス」だった。

 早すぎる敗退の原因はどこにあるのか。同紙は4つのポイントに絞って、敗因を分析している。

 まず同紙が挙げたポイントが「選手」だった。

「W杯が始まって、デ・ヘアに始まりピケ、ラモスに続きイニエスタ、チアゴ、ダビド・シルバ、そしてFW陣の低調なパフォーマンスも目を引いた。スペインより力が落ちるイランに唯一の勝利をあげながらもモロッコ、ロシア……。これらのチームはスペインのトップレベルの選手達を止める事ができた」

 選手のパフォーマンスが軒並み低調だったことを指摘している。従来通りのパスサッカーは機能してはいたが、フィニッシュの精度を欠き、想定したような試合運びにできなかった。

ドタバタ解任劇もチームに影を落とした

 2つ目はやはり「監督イエロ」。選手起用に疑問符をつけている。

「W杯が開始される2日前にスペインの指揮官に昇任される責任を背負ったイエロはチームに新しい物を与える事はできず。ロシア戦でチアゴ、カルバハルやイニエスタをベンチに置き、さらに批判が相次ぐデ・ヘアをスタメンで起用し続けた。イエロのスペイン代表で未来は不透明」

 3つ目は開幕直前のドタバタ劇を演じた「ロペテギ前監督とレアルマドリード」だった。

「開幕前にフレン・ロペテギがレアル・マドリードの監督に就任することが発表されスペイン代表の監督を解任となった。多くの人はフレン・ロペテギとレアル・マドリードがスペイン代表を動揺させたと思っている」

 そして4つ目は……「全ての項目」だった。

「選手達もイエロ監督も求められたパフォーマンスを発揮できなかった。ロペテギのレアル・マドリード監督の就任に関する報道のタイミングも悪く、スペインのサッカー協会の会長マヌエル・ルビアレスの判断も良くなかったと言える。この中で一番責任が重い人を評価するには数日あるいは数か月かかるだろう、ただし9月にユーロ2020の予選が始まる前までには、あらゆる問題を解決して行かなければならない」

 こう締めくくっている。敗因を1つに絞るのは難しいだろう。様々な問題が絡み合って沈んだ“無敵艦隊”。一世を風靡したスペインの“ティキ・タカ”は、一つの役目を終えた。(THE ANSWER編集部)