ファッションは、人だけのものではなくなるかもしれない。

6月19日、そんな近未来の体験が、既存ロボットや公式衣装の販売プラットフォーム「ロボユニ ショッピングサイト」を開設記念イベントで展開された。

イベントを開催したのは、ロボットアパレルやロボットインテリア事業を展開するRocket Roadだ。

イベントでは、12社に及ぶロボットメーカーなどが一同に集結し、ロボットたちとのファッションショーや会見が行われた。

参加した12社は下記。
・Pepper(ソフトバンクロボティックス)
・RoBoHoN(シャープ)
・ATOM(講談社)
・Musio(AKA)
・Tapia(MJI)
・unibo(ユニロボット)
・Xperia Hello!(ソニーモバイルコミュニケーションズ)
・Kibiro(FRONTEO)
・MEEBO(ユニファ)
・NAO(日本サード・パーティ)
・RoBoHoN(三越伊勢丹)
・Sota(クレスコ)

ファッションショー「ロボコレ2018 〜ロボット プレタポルテ コレクション〜」では、各メーカー担当者が衣装を着たロボットと共にランウェイを歩いた。

ファッションショーのラストでは、ステージ上に12社が勢揃いした。またイベントの主催であるRocket Road代表取締役 泉幸典氏も登場した。



一般客のほか、メーカー関係者や報道陣も大勢詰めかけ盛り上がりをみせたロボットファッションショー


12社の担当者と泉氏が揃ってステージに立った

ファッションショーに引き続きロボットメーカー10社と泉氏により、「ロボユニ ショッピングサイト」開設の記者会見が行われた。

ロボユニのコンセプトデザイナーおよび開発責任者である泉氏は、以前は人が着るユニフォームを作る側だった。しかしロボットにおけるユニフォームの重要さに気付き、ロボット専用アパレル事業を立ち上げたという。



会見では泉氏をはじめ、各メーカー担当者もロボットにおけるユニフォームの重要性をアピールした

泉氏や参加企業の担当者は、ロボットのユニフォームは重要であることをアピールする。
例えば、同じロボットであっても、
・遊園地での案内
・金融機関での案内
・介護現場
・医療現場
など、運用される場所や対応する顧客によって、
・顧客が受けるイメージ
・提供するサービスの内容
などは異なる。

ロボットが提供するサービスが異なるのに、
・同じ見た目
・同じイメージ
では、顧客にサービスを正しく伝えることは難しいし、違和感も与えてしまう。

そこでロボットにユニフォームを着せる。
ユニフォームにより、直感的に
・ロボットの役割
・ロボットのサービスへの親和性
などが顧客に伝わるメリットがあるという。

顧客である人間も、ユニフォームを着たロボットを認識することで、ユニフォームを着ていないロボットは「裸」と認識するようになるという。

つまり人は、ユニフォームによって、ロボットを人として認識するのだ。
ロボットは、ユニフォームを着ることにより人間社会に溶け込んでいける。

ユニフォームによるロボットの擬人化は、泉氏をはじめとしたメーカー担当者も共通の認識だという。

人間のユニフォームとロボットのユニフォームで異なる点も多く、メーカー担当者と試行錯誤を重ねて「開発」しているそう。ロボット向けの洋服の開発では、メーカーの協力が必須だという。

特にロボットの場合は、服を着せることにより、ロボット本体の発熱が増えるため、単純にロボットのサイズを合わせてユニフォームを作ればよいわけでないそうだ。


また、トークセッションでは、日本デジタルゲーム学会理事AI開発者 三宅陽一郎氏が、
「どんなに賢いAI(人工知能)を作ったとしても、それがAIであることがエンドユーザーのすべてには伝わらない。しかし服を着せるということで、それを見た人に伝えることができる」
と話した。

「ロボットにユニフォームを着せる」
という新しい発想に、多くのメーカー担当者が最初はとまどいがあったが、泉氏の訴えに耳を傾けることで価値観を大きく変えることができたという。



左からXperia Hello!、Musio、Tapia、MEEBO

近い将来、ロボットたちが、
「この服は少し小さい」
「この服は熱い」
など、自分の服装に要望を言う日が訪れるのかもしれない。

なお、ROBO-UNI(ロボユニ)では、ロボットおよび公式のユニフォームや衣装を購入できる。

ROBO-UNI(ロボユニ)


撮影・執筆:2106bpm