パラグアイ戦でキャプテンとしてフル出場の山口、改めて“ボランチ論”を展開

 日本代表は現地時間12日、国際親善試合パラグアイ戦で4-2と勝利を収め、19日のロシア・ワールドカップ(W杯)グループリーグ初戦のコロンビア戦に向けて弾みをつけた。

 この試合を受けて新たなキーマンとして浮上したのがMF山口蛍だ。西野朗監督からキャプテンに指名されると、その重責を果たして新体制初勝利に貢献。そんな男が「やりやすい」と称賛している相手がいる。

 パラグアイ戦の直前ミーティングでキャプテンに急きょ指名されたのが山口だった。本人はもちろん、他の選手も全く知らなかったという指揮官の仰天行動に、「3人ぐらいが『ん?』という顔をした」(西野監督)と驚きの表情を浮かべた選手もいたようだ。

 キャプテンとして先発した山口は2ボランチの一角でフル出場。一定水準のパフォーマンスを披露し、MF長谷部誠に取って代わるという声も浮上している。当の本人は試合を冷静に振り返り、「セカンドボールは日本にとって生命線。そこでいかに回収していくか。試合の流れを持ってくるうえですごい重要なところ。セカンドボールをいかにして取れるかが大事になる」と、W杯躍進のポイントを挙げている。

 西野ジャパンの新キーマンに推す声も高まるなか、山口は改めて“ボランチ論”を展開。やりやすいタイプを口にしている。


山口が「個人的には…」 様々な“特化型”が可能なボランチ

「個人的には、もう一人が岳みたいな攻撃の選手だと、役割というか、動き方も含めてはっきりしているからやりやすさがある。ボールを奪うところもそうだし、(攻撃に)上がったところのスペースをカバーしたりもそう。すごく分かりやすい」

 パラグアイ戦の先発で2ボランチを組んだのが、山口と柴崎だった。主に山口が守備のバランスに気を配りつつ、広範囲をカバー。一方の柴崎はボールを捌きながら攻撃に比重を置いた。そうした役割分担に、山口はやりやすさを感じたようだ。

 西野ジャパンのボランチは、長谷部、柴崎、山口、大島僚太らが争う構図となっている。組み合わせ次第で、攻撃特化、守備特化、バランス特化と様々なパターンが可能だ。現時点では2ボランチの採用が濃厚だが、果たして指揮官はどの組み合わせをチョイスするのだろうか。


(大木 勇(Football ZONE web編集部) / Isamu Oki)