17日、TBS「バース・デイ」では、今季より選手兼テクニカルコーチとして古巣・埼玉西武ライオンズに復帰した松井稼頭央の特集を放送。現役野手最年長となる松井が西武復帰を決めた背景にある悲壮な覚悟を伝えている。

42歳になってなお、誰よりも多くの練習量こなす松井は努力の天才としても知られ、楽天時代のチームメイト・今江敏晃は「好きじゃないとあんなに練習できない。ずっとバッティング練習してるんですもん」と語るほど。

そんな努力の裏には、現役へのこだわりがある。番組のカメラに「ユニフォームを現役で着るということが、僕の中では1番大事かなと思ってます。1年でも長くいきたいと思いますし、そのモチベーションだけは落ちない」と話す松井。事実、楽天時代の2015年には、自ら外野へのコンバートを申し出た。

定位置ともいえる遊撃手から外野手になった松井は、この時のことを「自分で行きました。このまま何やっても決して長くないだろうなって。野球人生の先が見えるなと思って。先が見えるということは、引退に近づいていくということ。決して長くはない」と説明すると、ショートとしてのプライドについては「全くないです。僕の中で。野球ができていることが自分の中で1番」と言い切った。

それでも41歳で迎えた昨季、44試合で打率は2割1分1厘と低迷。8月に2軍降格が告げられると、打撃の成績は2軍でも思うように奮わず。9月になると球団からは事実上の戦力外通告ともいえるコーチへの打診があった。

だが、あくまでも現役にこだわる松井はこれを拒否。コーチの打診を断ることで行き場を失い、来季はユニフォームが着れなくなるリスクもあったが、当時の松井は「それも覚悟の上です」とキッパリ。番組のカメラには「ボロボロになっても(現役選手を)やりたいなと思うし、12球団からいらないといわれたときには僕は引退だと思っている。好きなんでしょうね、野球が」などと悲壮な決意を語っていた。