改善されない杜撰な交通システム…地元・韓国紙も指摘「平昌への道は遠くて険しい」

 平昌五輪の開会式まであと3日に迫っているが、課題に挙がっているのは、寒すぎる気候と機能しない交通だ。地元の韓国紙は、特に改善されない交通システムの問題点を指摘し、トラブルに巻き込まれた記者が「始まる前からこんな状態で、開幕したらどんなことが起こるか明らかだ」と怒りの声を上げたことを伝えている。

「“遠くて険しい”平昌に行く道…『どうしてこんなシステムでオリンピックを』」と報じたのは、韓国スポーツ紙「スポーツワールド」だった。

 記事では、5日に平昌メインプレスセンターからスピードスケート会場に向かおうとした、ある記者が「これまでオリンピックを通して、こんなことは初めてだ。競技場に行くバスが最初からないのみならず、予定されたバスは来ない。始まる前からこんなんで、本大会が開幕したら、どんなことが起こるかは明らかだよ」と激しい風と寒さに震え、顔を真っ赤にして怒ったという。

「間違いなく、交通システムのせいだ」と記事では問題点を指摘。この日、スピードスケート会場に向かうメディアシャトルバスはなく、輸送担当者は「大会前なので練習がない場所にはバスの運行はしない」と説明したが、実際には午前11時から午後6時まで練習は行われていたという。

 ただし、これは「2番目の問題」とし、「さらに大きな問題」に挙げたのは、世界各国の記者の報道拠点となるメインプレスセンターから各競技場があるオリンピックパークへの直通バスがないことだという。

メディアのみならず観光客も…駅は「円滑に運営されることは皆無だ」

 江陵メディア村に向かうバスで向かい、一度乗り換えなければならず、しかもこの日は泣きっ面に蜂なことに、そのバスが予定通りに来なかったといい、「厳しい寒さに外で1時間ほどを待った外信記者たちは怒りを出すしかなかった」とレポートしている。

 しかし、こうした問題はメディアに限定されているわけではなく、「観光客の平昌に行く道も険しい」と指摘。「珍富駅に設置したオリンピックブースを含めた各種輸送関連案内ブースは担当者が席を外すのが常だ。いてもほとんどがボランティアたちで、それさえも1人ずつだけ配置して連携性もない状況である」と伝え、「円滑に運営されることは皆無だ」と言及している。

 とりわけ、バス待ちの厳しさに拍車をかけるのは氷点下10度になるといわれる寒さだが、防寒対策についても施されてないという。「バスを待つ人々は激しい風をそのまま受けなければならない。特に、平昌の方は公共交通もない。コールタクシーを呼んでも来ない」と課題を挙げ、最後は「平昌へ行く道は遠くて険しい」と締めくくっている。

 今大会はボランティアがボイコット騒動を起こすなど、開幕前から大会運営について懸念する声が上がっていた。開幕は目前。少しでも、円滑に大会が盛り上がるように、問題点が改善されることを願うばかりだ。(THE ANSWER編集部)