中国は自国の高速鉄道を「中国製造業の名刺」と自負している。確かに中国高速鉄道の発展の速度や中国国内を縦横無尽に張り巡らされた総延長の規模は驚きに値する。中国メディアの今日頭条は25日、中国製造業の名刺と呼ばれるほど飛躍的な成長を実現した高速鉄道について自画自賛する記事を掲載した。

 統計によると、2016年までに中国全土の鉄道営業距離は12万4000キロメートルに達し、そのうち高速鉄道の路線は2万2000キロメートルを越えた。この距離は世界の高速鉄道の全営業距離の3分の2を占めるという。また、中国内で運行している高速鉄道の車両数は2595本に及び、全世界の総数の60%を占めるまでになった。

 ちなみに日本国土の全長がおよそ3000キロメートルであるため、中国は日本の国土の長さの約7倍の距離の高速鉄道路線を建設したということになる。記事は、中国高速鉄道の規模は世界と比較しても「最大規模」かつ「最高速度」であると胸を張り、しかも、「完全に中国が知的財産権を持つ高速鉄道であると」と主張した。

 また、今後の計画についても取り上げて、2016年の「中長期鉄道網計画」では2020年までに運行距離を3万キロメートルにまで拡張し、大都市の80%を網羅する予定であると紹介。技術面においても、この10年間で車体システムの大幅なアップデートが完了しているとし、今後はさらなる飛躍が期待できることを強調した。

 さらに記事は、新幹線の歴史と比較したうえで「世界初の高速鉄道である東海道新幹線は1964年に開通し、その後、50年間にわたって発展を遂げてきたが、中国高速鉄道は10年で新幹線を上回った」と豪語した。

 しかし、中国高速鉄道の発展の道のりは決して平坦なものではなかったとし、「海外の技術を取り入れ、消化・吸収し、新たに再構築した道だ」と自負した。海外から技術を取り入れて完成した高速鉄道システムを輸出していることについては議論の余地があるが、極めて短期間で非常に大きなスケールの高速鉄道網を構築したことは素直に感服させられるものだ。今後も新幹線と中国高速鉄道の受注競争は続いていくに違いない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)