中国最大の検索エンジンであり、日本でも日本語入力アプリのSimejiなどで知られるBaiduは、ビデオオンデマンドサービスの「iQiyi」を提供しています。このiQiyiはVRヘッドセット向けのムービー配信も行っているのですが、そのVR使用時のガイドを行ってくれる女性キャラクターに対して「セクシーすぎる」と苦情が殺到し、Baiduがキャラクターを削除して謝罪する事態になっています。

Baidu apologizes for sexy ‘girlfriend’ VR interface - The Verge

https://www.theverge.com/2017/12/13/16773514/baidu-iqiyi-vivi-vr-virtual-girlfriend-assistant-pulled

iQiyi上から消えてなくなることになったVRアシスタントキャラクターの名前は「Vivi」。2017年3月にiQiyiのVRヘッドセット「Qiyu VR」向けアシスタントとして発表されたもので、記事作成時点ではベータテストとして一部のユーザーが利用できるようになっていました。

これがVRアシスタントのVivi。デフォルメされることなく人間を模して作られており、妙にリアル。髪の毛で隠れてはいますが、胸元が大きくはだけているところが問題でした。



Viviの基本的な役割は音声インターフェースなのですが、他にも「感情認識技術により人々の気分を察する」や「ユーザーとのやりとりからオススメの映画を見つける」などの機能を有しています。しかし、The Wall Street JournalはViviの胸元にばかり気を取られているユーザーが存在することを指摘しており、South China Morning PostはViviについて「横暴な上司と秘書のロールプレイングのよう」と記しているように、Viviがセクシー過ぎる点が問題となっていました。

結局Viviを削除することにしたBaiduは、「iQiyiはメディアに提起された問題に気付いており、さらなる変更を加えるために現在オフラインとなっています。我々は懸念事項を提起したいと思っています」とThe Wall Street Journal上で声明を出しています。

他のメーカーからリリースされているVRサービスや音声認識サービスで使用できるアシスタント機能もそのほとんどが女性をベースにしたものとなっており、これは女性と従順さを結び付けるものだと海外メディアのThe Vergeは指摘しています。なお、BaiguはViviが使えるQiyu VRは「基本的に男性向けを想定している」とコメントしており、The Vergeは「ベータ版のサービスであっても、Baiduのような大企業がそのような考えを持っていることは非常に悪いものだ」としています。