協会はこういうドメスティックな発想を捨てない限り、また4年後の抽選会でも同じ結果が待っていると思うよ。せめて第2ポットに入れるくらいじゃなければ、グループ内で優位に立って大会の上位を見通せるようにはならない。そういう努力を怠ってきたツケが、今回の抽選結果にも反映されているということだよ。
 もちろん、まだ大会が始まったわけじゃない。前述の通り、日本に有利な風が吹くかもしれないし、日本がサプライズを起こす可能性だってゼロじゃない。でも、ちょっと待ってほしい。“サプライズ”ということは、日本は弱小国であるという前提に立って話さなければいけない。何も僕が言い始めたわけじゃない。それが対戦国をはじめとする海外の多くの人たちの認識だよ。コロンビアの新聞は「最高のドローだ」と書いているそうだ。他の国もそうだろう。日本は間違いなく“ターゲット”にされる。
 
 つまり、日本は弱いんだということを改めて認識しなくちゃいけないよ。それが強くなるための第一歩なんだ。
 
 ところが、日本のメディアは本当のことを言わないね。勝っても負けても点を獲った選手や海外組にスポットを当てて持ち上げるばかりで、「何をやってるんだ!」とケツを叩こうとはしない。もちろん、メディアも商売だから本当のことを言って、読者の興味・関心を失わせてはまずいから“セーフニュース”ばかり流す。それがチームや協会から危機感を失わせるんだ。
 
 一方でワールドカップのような集大成の大会で負けると、ここぞとばかりに叩く。前回のブラジル・ワールドカップが良い例だけど、それじゃあ、4年おきに同じことを繰り返すばかりで、成長はない。
 
 日本代表を強くするには、チームを取り巻く側の意識も高めないと選手の頑張りだけに頼っていては限界がある。ランキングを上げるにしても、ワールドカップで上位進出を実現するにしても、まだまだ厳しさが必要だ。そんなことを考えた抽選会だった。