歴史的な背景と強い愛国心のゆえに反日感情を持つ中国人がいる一方で、日本を訪れる中国人は増加の一途をたどっており、「親日でも反日でもないが、単に日本がどのような国か興味がある」という理由で訪日する中国人もいる。中国メディアの今日頭条は6日、実際に日本を訪れた中国人の手記として、「日本がどれほど発展している国かを紹介しよう」とする記事を掲載した。

 記事はまず、「自分は決して親日家ではない」ということを冒頭で再三強調し、日本について好意的な意見を述べれば、中国ネット上で多くの批判を浴びることになることを承知のうえで、今回客観的な情報を発信することにしたと紹介。さらに、「先進国としての日本について、自分自身が感じ取ったことを偏った感情に基づかないで話す」とした。

 まず、東京を初めて訪れた際に驚いたのは「非常に複雑に発達した交通機関」だったとした。中国と違って、日本の交通機関は国営ではないため、複数の企業が公共交通機関を運営していると紹介。競争があるからこそ、その利便性は中国以上であり、「電車もバスも時間に正確に運行していることは、中国人からすれば驚異的」だとした。

 また「日本人の民度」ついて触れ、「どれだけGDPが多くても、高層ビルが立ち並んでいても、その国の国民の民度が低ければ、その社会は野蛮で立ち遅れた旧社会と言わざるを得ない」と指摘する一方、日本に「成熟した社会」が存在することは、日本国民が体現していると指摘。秩序があって、他人やルールを尊重する日本人の姿はまさに「成熟した社会」を示すものだったと論じつつ、中国人も幼少の頃から「列に並ぶこと」、「公共の場で大声で騒がないこと」などを教えられるが、多くの人はその教えを忘れてしまっているとした。

 記事は、「中国がさらなる発展を遂げるためにも、日本の真の姿から目を逸らさず、日本の優れた点を認めることが重要だ」とまとめている。また、この中国人のように自由に意見を表明できることも重要だとし、日本の良い点を素直に評価しただけで批判の声があがる中国の現状を暗に批判した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)vincentstthomas/123RF)