【ジャカルタ聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏が2月にマレーシアで殺害された事件で、事件に関与した男4人全員が北朝鮮籍であることが6日、分かった。この日、マレーシアの高裁で行われた公判で事件の証人として出廷したマレーシア警察の当局者が明らかにした。

 同当局者は「ハナモリ」と名乗り、同事件を現場で指揮した東洋人の男について、北朝鮮籍のリ・ジェナムだと証言した。

 殺害を実行したとして殺人罪で起訴されたインドネシア人のシティ・アイシャ被告と、ベトナム人のドアン・ティ・フォン被告の手に猛毒のVXを塗り、殺害を指示したとみられる「チャン」はホン・ハンソク、「Y」はリ・ジヒョン。もう一人の「ジェームス」と名乗る人物はオ・ジョンギルだという。

 同当局者は、リ・ジェナム、ホン・ソンハク、リ・ジヒョン、オ・ジョンギルは今年1月31日から順にマレーシアに入国し、犯行を準備したと説明した。リ・ジェナムらは正男氏を殺害した約3時間後にインドネシア・ジャカルタ行きの旅客機に乗り、アラブ首長国連邦(UAE)、ロシアを経て平壌入りしたとみられている。

 先月2日から始まった同公判でマレーシアの捜査当局が容疑者の男の国籍を明確にしたのは今回が初めて。

 北朝鮮は死亡したのは正男氏ではなく、「キム・チョル」と名乗る北朝鮮籍の者と主張し、リ・ジェナムら4人が事件に関与したことを全面的に否定している。

 マレーシア側は事件に北朝鮮が関与していることを明言してこなかったが、実行犯として犯行直後に逮捕された2人の被告の裁判が進んだことで、捜査内容を公開したとみられる。