現地時間10月23日、エバートンはロナルド・クーマン監督の解任を電撃発表した。
 
 2016-17シーズンからエバートンの指揮を執っていたクーマンは、就任1年目で勝点61を稼ぎ、プレミアリーグ7位でフィニッシュし、ヨーロッパリーグ出場権を獲得した。
 
 迎えた今シーズンは、夏の移籍市場で主砲だったロメル・ルカクをマンチェスター・ユナイテッドに放出した一方で、ウェイン・ルーニーやマイケル・キーン、ギルフィ・シグルドソンなど、総額1億4000万ポンド(約187億円)の大型補強を敢行。『ビッグ6』の牙城を崩すことをファンもメディアも予想した。
 
 しかし、チームはスタートダッシュで躓くと、そのまま低迷。ここまでプレミアリーグでは、9試合を終えて2勝2分け5敗の18位と低迷。ヨーロッパリーグでも3試合を戦い1分け2敗と早くも敗退の危機に晒されていた。
 
 現地時間10月22日に行なわれたアーセナル戦(プレミア9節)では、ルーニーのゴールで幸先良く先制するも、その後は防戦一方の展開となり、終わってみれば2-5と大敗。クーマン自身は試合後に「まだ状況改善はできる」と語っていたが、クラブ幹部は決断を下したようだ。
 
 公式サイトでエバートンは次のような声明を発表している。
 
「エバートンはロナルド・クーマンの退任を発表します。会長のビル・ケンライトと取締役会、大株主のファハド・モシリは過去16か月のロナルドの貢献と、昨シーズンのプレミアリーグで7位に導いてくれたことに感謝の意を表明します」
 
 このオランダ人指揮官の解任劇を英国メディア『BBC』はさっそく報道。クーマンが今シーズンのプレミアリーグではフランク・デブール(クリスタル・パレス)、クレイグ・シェイクスピア(レスター)に続く、3人目の解任監督であることを説明している。
 
 さらに同メディアは、「ヨーロッパリーグへ導いたクーマンをクビにするというエバートンの決定は、まさに電撃的だった。しかし、クーマンだけが責任を取るのはおかしい。フットボール・ディレクターのスティーブ・ウォルシュの補強戦略にも問題はあった」とも指摘したうえで、クーマンの解任理由についても綴っている。
 
「批判を1つあげるとすれば、冷静な現実主義者であるクーマンとエバートンの間には絆がなかった。それはまだこれから良くなるものだったのかもしれないが、プレミアリーグ9試合の失敗の後では、関係を修復するのは難しかったのかもしれない」
 
 緻密にチームを作り上げてきた名将との契約を解消したエバートン。当然、その後任はまだ決まっていないが、はたして、チームは立ち直るのだろうか。