今大会の第4日目第1試合で甲子園春夏通算で史上最多となる対決カードが実現する。春優勝3度の広陵(広島)と夏7度&春4度で合計11度の優勝を誇る中京大中京(愛知)の対戦である。

 夏の甲子園の出場回数も今回で広陵は22回目、中京大中京は28回目。ともに戦前から甲子園で活躍している名門だけに何度も対戦していてもおかしくないのだが、今回で7度目の顔合わせ。これまで6回で並んでいた広陵対松商学園(長野)という組み合わせを抜いて単独最多となった。

 この広陵対松商学園というカード、春は広陵の3戦3勝、夏も広陵の2勝1敗。合計5勝1敗で広陵が松商学園を圧倒しているのだが、今回の広陵対中京大中京の過去の対戦成績はというと、春は5回もの対戦があった。最初の対戦は35年第12回大会の準々決勝で実現し、この時は広陵中(当時)が7‐3で中京商(当時)を一蹴している。2回目は戦後の58年第30回大会の初戦で激突し、この時は中京商が3‐1でリベンジを果たした。だが、ここから広陵が3連勝。68年第40回大会の初戦でまたも対戦して3‐1、02年第74回大会も初戦で顔を合わせ4‐0。さらに10年第82回大会準々決勝で5‐1と快勝し、春の対戦は4勝1敗と広陵が中京大中京を圧倒した形となった。

 これに対して夏の対戦は過去1度だけ。ちなみにこれがこの両校の春夏を通じての甲子園初対決となるのだが、それが31年第17回大会の準々決勝。この試合は5‐3で中京商(当時)が接戦を制している。春夏通算では4勝2敗で広陵に軍配が上がっているが、今回はこの両校が最初に対決して以来、86年ぶりの夏の甲子園での対戦。どちらも今大会のV候補に数えられているだけに激戦が予想される。ちなみに広陵対松商学園、広陵対中京大中京という対戦はこれだけ実現しているのに、中京大中京対松商学園という対戦カードは春夏通じて1度もないことを付記しておく。

(高校野球評論家・上杉純也)