(台北 23日 中央社)政府が環境保護を理由に、宗教施設での線香や香炉使用などを控えるよう求めているのに対し、一部の寺廟関係者は信仰の象徴と目される線香の煙が消えるのではないかとの懸念から政府に陳情するためのイベントを23日台北市内で開催した。参加者は1万人を上回ったとみられる。

この日、台湾各地の廟から集まった関係者らは台北市内の観光スポット、中正紀念堂で一堂に会し、同じく市内の総統府まで練り歩いた。参加者らは、1つの香炉に立てる線香の本数を、従来の3本の代わりに1本のみとするなどの政府の呼びかけには協力するが、既存の香炉数をこれ以上減らすかは各廟の決定に任せるべきで政府が介入すべきではないなどと訴えた。

これに対し、総統府の黄重諺報道官は同日、信仰の自由は基本的人権であり、政府は干渉できず、干渉もしないと述べた。行政院(内閣)も環境保護と宗教儀式のバランスがとれることに期待を寄せた。

若い世代の信者は「誠意が一番大切だ」と政府の環境政策に支持を示す一方、年配者からは「なんかしっくりこない」との声が上がっている。

(顧セン、葉素萍、呉欣紜、游凱翔/編集:荘麗玲)