巨人が広島にコテンパンにやられている。2017年5月28日までに11試合戦って1勝10敗。まさに「鯉(カープ)のエサ」だ。

得点、本塁打は広島の半分

巨人の高橋監督は不機嫌だった。延長10回、2-3で負けた28日の試合を振り返ったコメントは厳しかった。

「3、4、5番が打てないんだもの」

なんとか保っていた勝率5割を切ったこともあるけれども、11回戦って1試合しか勝てない情けなさが強かったと思う。

一方、広島の緒方監督は落ち着いた口調だった。

「一丸となって勝ったゲームだね」

巨人が広島に対してこれだけ叩かれるというのは珍しい。しかも内容は悲惨である。

・得 点 広島75(1試合平均6.8) 巨人38(3.5)

・安 打 広島113(10.3) 巨人74(6.7)

・本塁打 広島13(1.2) 巨人7(0.6)

得点、本塁打をみると、巨人はおよそ半分でしかない。失点を振り返ると嫌になるほどの差だ。11点2試合、9点3試合、8点と7点もある。巨人の得点は6点と5点が2試合ずつあるけれども、あとの7試合は0、1、2ばかり。

投打とも話にならないくらい差がついている。

巨人は広島のATMだよ

巨人の1勝は敵地広島で挙げたもので、本拠地の東京ドームでは3連敗2度。失点48は総失点の6割を超えている。

「地元ファンの前で恥をさらしてしる」

巨人OBが苦笑するほどである。

ホームランでは広島のエルドレッドに6本も打たれている。現在13号だからその半分ほどを巨人投手陣が提供というから驚く。

「巨人戦がなかったら広島は今頃、勝率5割あたりでウロウロしていただろうね。巨人は広島のATMだよ」

こんな声もあるほどだ。

高橋監督にとって今シーズンは優勝が至上命令。クビをかけた年である。それなりに補強したけれども、まともに働いているのはマギーぐらい。この外国人のバットがなければBクラスでもっと苦戦していたに違いない。

5月は大相撲人気に隠れていたが、夏場に向かってこのままでは巨人への風当たりが強くなるだろう。それにしても巨人が鯉のエサになるとは想像もしなかった出来事である。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)