(台南 17日 中央社)台南市烏山頭ダムに設置されている日本人水利技師、八田与一氏の銅像が壊されているのが見つかった件で16日、同市の奇美博物館が修復の支援に当たることがわかった。同氏の命日である5月8日には追悼の催しが控えており、銅像を管理する嘉南農田水利会は修復を急いでいる。

銅像が破壊されたことを知った財団法人台南市奇美文化基金会董事長(会長)の許文龍氏は、修復に協力するよう同博物館に指示し、関係者と彫刻家が16日午後、視察に向かった。同博物館職員によると、同ダムの八田像を模倣した作品が3体あり、同美術館に所蔵されているそのうちの1体の胸像を切断し、破壊された頭部に接着して修復を行うという。作業は1週間以内に完了する見込み。

許氏は合成樹脂や電子部品などを傘下に持つ奇美グループの創業者。芸術にも精通しており、日本統治時代の台湾に貢献した日本人を胸像の製作によって顕彰してきた。2015年には、後藤新平や新渡戸稲造の胸像を寄贈した拓殖大学から名誉博士号が贈られている。

(楊思瑞/編集:楊千慧)