「楽器を奏でているみたい」声優は、音色のスペシャリスト



──昨年、初めて全国ツアーを開催されましたが、いかがでしたか?

6月にバースデーライブをやって、7月からツアーが始まって、ツアーが終わったと思ったら、2週間後には武道館、みたいな感じでめまぐるしくて。そんな状況だったから、ツアーも、「本当に幕開けちゃうの?」みたいな。リハーサルも、そんなにたくさんできたわけじゃなかったので、不安が大きかったんですよね。でも、回を重ねていくうちに余裕が生まれてきて、「ツアーの良さってこれなのかな?」って思いました。

──ツアーは札幌から始まって、愛知、大阪、福岡、最後に武道館と…。

札幌はもう本当に記憶がないぐらい……早替えも多いので、段取りと歌詞とダンスとで、頭のなかがごっちゃごちゃでした(笑)。「酸欠状態で、このままステージ上で倒れちゃうかもしれない!」っていうところを、なんとか乗りきって。



──どうやって乗りきりました?

もう、勢いで(笑)。あと、客席でみんなが「頑張れ、頑張れ」って言ってくれるから、頑張ろうって思って。次の日は急に……静けさがやってきましたね(笑)。休みをとって、スタッフさんたちと小樽の水族館に行って、お寿司を食べたりとかしたんですけど。「無」って感じがスゴくて(笑)。

──(笑)。

ぽかーん、みたいな(笑)。「昨日と今日の時間の流れの速度が違いすぎて、気持ちが追いつかない」って思いました。本当に、ツアーの日は1日が何日にも感じられるぐらい、ぎゅーっといろんなことが圧縮されていて。ツアーをやったからこそ私、なんかちょっとまた強くなった気がします(笑)。

──またやりたいですか?

またやりたいです! 札幌とか福岡とか、今までソロで行ったことがない地域に行けたのもすごい嬉しかったし。やっぱり、その土地土地でみんなの反応が違うんですよね。それも面白かったし。それと私、食べることが好きで、食に生きてるところがあるので(笑)、いろんな地域のいろんなグルメを味わえるのは本当に……得した! って感じです。



──声優として、アーティストとして、今後チャレンジしたいことはありますか?

アーティストとしてだったら……先日のライブで、初めてバンド演奏で歌ったんですけど、やっぱり生の音ってすごくパワフルだし、エネルギーがあるし、一緒に歌うのが楽しくて。だから今度はオーケストラとか、ビッグバンドとか、そういったクラシカルな音と一緒にやってみたいなって思います。違う表現が広がりそうだなあって、すごくワクワクしますよね。いつかやりたいなって思っています。

──声優としてはいかがでしょう?

とにかく、いろんな役にチャレンジする。「こういう役はやったことがないから、ちょっとわからないな」っていう役でも、1クールを終えたときには、役に合った声帯ができあがってくる感覚があるので。今までやったことのないような役に、どんどん挑戦していきたいです。

──今の時点で、声優というのはどういう職業だと思いますか?

そうですね……音色のスペシャリストかなあ。楽器なんだなって思っていて。もちろんそこに感情が乗っているんですけど、それだけじゃなくて、音色もコントロールして……本当に、楽器を奏でているみたいな感じですね。



──「音色」という観点から声優のお仕事を捉えるのが、とても三森さんらしいなと思います。

ふふふ。そうですか? でも本当に、音色がスゴいんですよ。「なんでこの人の声って、こんなに惹かれるんだろう?」って思うと、だいたい倍音(※基本となる音の周波数に対し、倍の周波数を持つ音のこと)が出ていることに最近気づいたんです。自動的に出る人と、頑張って出せるようになる人がいるって聞いて、「あ、それだ!」って。「この人の声はなんか違う。聴いてて心地いいなあ。音圧が違うのか、なにが違うのかな?」っていつも思ってたけど、倍音だ! って。「あの先輩、倍音が出てる!」みたいな(笑)。

──倍音に敏感なんですね(笑)。

そうなんです(笑)。現場に行くと、「あの人、倍音出てる! あの人も出てたんだ!」みたいな感じで(笑)。最近、すごく倍音に敏感になってます。



新生活へのアドバイスは「気張りすぎない(笑)」



──プライベートのお話も伺っていきたいのですが、春についてのイメージって、なにかありますか?

春はそうだなあ……冬のダークトーンの服から、一気に解放されるイメージですね。私、薄着のほうが好きなので(笑)、いろんな服を見るのが楽しくて。冬のあいだは外に出かけなかったんですけど、先日(※取材が行われたのは2月中旬)、久しぶりにショッピングへ繰り出したんですよ。そうしたら、もう春物が並んでて「わー!」って気分が上がりました(笑)。

──時間があったら買い物にも頻繁に行きますか?

行きますね。冬場は行かなかったですけど(笑)。冬場はこもって、「今ある服で、この冬をどう乗りきるか」みたいな(笑)。本当に出かけたくなくて、スタジオと家の往復しかしてなかったです。

──春から新生活を始める学生さんや社会人の方へ、アドバイスをいただけますか?

私がアドバイスとして言えるのは……気張りすぎない(笑)。新しいことを始めるときとか、初対面の人とこれから会うぞっていうときって、“良い自分”を見せようとするじゃないですか。私もけっこうそういうタイプなんですよ。いいとこ見せたい! みたいな。でも、最近になって思うのは、そのあと、学校や会社で一緒にいる時間が長くなっていったら、どんどん普段の自分をさらけ出していくわけだから、最初から頑張らないほうがいいなって(笑)。



──なるほど(笑)。

気張らずに、ありのままの自分を出すってなかなか難しいと思うんですけど……普段の感じを出しておいて、5月ぐらいにちょっと本気を出す、みたいな(笑)。ここぞ! というときに本気を出せるように、初めはあんまり盛りすぎず、「まあ、こんな感じか」くらいのメンタルでいるほうが、あとでうまくいったときに、「おー、できたー!」って思えるのでね(笑)。

──この春、心機一転やってみたいことなどはありますか?

体を動かしたいですね。去年の夏はよくジムに行って鍛えてたんですけど、筋肉をつけすぎて“鍛えるの禁止令”……“筋肉禁止令”が出て(笑)、それ以来まったく運動してなくて。けっこういい感じにぷよってきたので、そろそろ鍛えようかなと思っています。

──“筋肉禁止令”が出るくらい、ストイックに鍛えるんですか?

ストイックにやっちゃうタイプなんですよね。だから、ムキムキにならないように、ピラティスとかヨガを始めようかなって思ってて。やっぱり、一応見られる仕事だから(笑)、ちゃんとやっておかないといけませんよね。



三森すずこの人生は、食べることを中心に回っている!?



──今までの取材でも、三森さんといったら食べものの話でしたが(笑)、最近ハマっているものはありますか?

いろんなものを、くまなく食しているんですが……あ! 和食を作ろう、みたいな感じになってきました。今まで和食に全然興味がなくて。焼き魚とか出た日には、すごいテンションが下がっていたんですけど(笑)、最近、ロケ弁で食べた魚がすっごいおいしかったんです。「あ、魚っておいしいんだ!」って思ってから……1回だけ家で、魚を焼きました(笑)。

──お味噌汁とかは?

そう! なるべく毎日飲むようにしています。インスタントでもいいから、毎日大豆製品を摂ろうと思って。朝、メイクしてるあいだに出汁をとるっていう技を最近習得したので(笑)。

──朝ご飯はきちんと食べるタイプですか?

そうですね、朝ご飯を食べないとやっていけない人間なんで。朝ご飯を食べるために、早めに起きるんです(笑)。そういうところが「食に生きてるなあ」って、自分でも思います。夜寝る前に、明日の朝ご飯を考える。「いいチーズを買ったから、明日はチーズトーストにしよう!」って思いながら寝て、目が覚めたらすぐに「あ! チーズトースト!」って思って起き上がるんで(笑)。ご飯を中心に……人生が回っている感じですかね。



──今回のタイトルの『サキワフハナ』じゃないですが、三森さんにとって、幸せをもたらすものって……まさに食でしょうか?

ですねえ(笑)。最近気づいたんですけど、空腹でお腹がグーッて鳴ったときのあれが、幸せをもたらす音だなって。「お腹が空いてる」イコール、「生きてる」イコール、「今なにを食べたいか、すごい研ぎ澄まされてる!」みたいな(笑)。

──研ぎ澄まされてる?

空腹のときって、感性がすごく研ぎ澄まされてるんです。空腹のときに街を歩いていると、いろんなものが目に入ってきて、「この店こないだ入ったけど、おいしかったっけ? あ、おいしかった!」みたいな(笑)、いろんな記憶がすごいよみがえってくるんですよ。「あの店は出てくるまでにちょっと時間がかかったから、今日はそんなに待てないな」とか(笑)。

──なにを食べようか考えているときが幸せ?

幸せ(しみじみとした口調で)。なにを食べようか考えて、店に入って注文してる瞬間がすごい幸せです。「どうしよう! あれもいいし、これもいいし」って(笑)。お水を出されて、「お決まりになったら呼んでください」って言われても、なかなか私が呼ばないもんだから、お店の人が注文をとりに来ちゃうんですよ(笑)。「ああ! まだ決まってないのに、もうこれまでか! じゃあ、今の時点ではこれ!」って頼むんです。



──まさに、食に生きていますね(笑)。

でも、そんなに胃が大きくないから、すぐお腹いっぱいになっちゃうんです。食欲に胃がついていけてない感じなんですよ(笑)。それが悔しくて。だから、いっぱい食べられる人が羨ましい。こないだも、ランチにすごいおいしいパスタを食べたんですけど、量が多くて。それでも全部食べないと作り手の方に申し訳ないと思って、一生懸命食べたら……深夜までお腹が空かなくて(笑)。「今日はもう、幸せの時間がこない!」って、がっかりしましたね。

──もう……三森さん、本当に面白いです(笑)。

ふふふ。楽しんでます、日々(笑)。あと最近、晩酌始めちゃったんで、これがまた大変なんですよ。お酒そんなに飲めないんですけど。父がワインが大好きで、おいしいワインがあると送ってくるんです。それでワインとかシャンパンとか、とにかくいっぱい、うちにストックがあって(笑)。

──それを飲んでいるんですね。

そうなんです。毎日200ミリリットルまでだったら体に良いらしいので(笑)。休肝日を2日設けて。まあ、痩せないですよね(笑)。バレンタインで、いっぱいチョコをいただいたので、それも食べようと思ったら……チョコとワインって合うんです! だから、200ミリリットル以上になっちゃう日もあって(笑)。そうやって、どんどん楽しみが増えてしまって、この冬は本当に家から出ませんでしたね(笑)。



【プロフィール】
三森すずこ(みもり・すずこ)/6月28日、東京都出身。AB型。ミュージカル女優として活動したのち、声優デビュー。代表作は『探偵オペラ ミルキィホームズ』、『ラブライブ!』、『ゆるゆり』シリーズなど。2015年は『ラブライブ!』の劇中ユニットμ’sのメンバーとして「第66回 NHK紅白歌合戦」にも出場した。ソロアーティストとしては2013年4月に『会いたいよ…会いたいよ!』でデビュー。2016年7月から10月まで、全国5会場にわたるライブツアー『Mimori Suzuko Live Tour 2016 “Grand Revue”』を行った。
【公式HP】http://mimorin.com/
【Twitter】@mimori_suzuko
【ブログ】http://ameblo.jp/mimorisuzuko/

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左より、初回限定盤、通常盤
【初回限定盤(CD+DVD)】
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今回インタビューさせていただいた、三森すずこさんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

■応募方法:ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT


■受付期間:2017年4月11日(火)12:00〜4月17日(月)12:00

■当選者確定フロー
・当選者発表日/4月18日(火)
・当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し)のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
・当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから4月18日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただきます。4月21日(金)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。

■キャンペーン規約
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