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By Andy Armstrong

リチウムイオンバッテリーの発明者として知られる94歳の開発者ジョン・グッドイナフ氏率いる研究チームが、従来のリチウムイオンバッテリーより素早く充電でき、爆発や発火の心配のない初の全固体バッテリーを発表しました。

Lithium-Ion Battery Inventor Introduces New Technology for Fast-Charging, Noncombustible Batteries | UT News | The University of Texas at Austin

https://news.utexas.edu/2017/02/28/goodenough-introduces-new-battery-technology

グッドイナフ氏率いるテキサス大学オースティン校Cockrell School of Engineeringの研究チームが発表した新型バッテリーは、低コストで長時間のバッテリーライフを持ち、高い体積エネルギー密度や急速充電などの特徴を備えた全固体バッテリーで、従来のモバイル機器や電気自動車などに使用できるとのこと。現在使われているリチウムイオン二次電池は熱に敏感な液体電解質を使用しているため、過充電などが原因で爆発や火災を起こす危険性を常にはらんでいますが、液体電解質の代わりにガラス電解質を使用する全固体バッテリーは、爆発や発火の恐れがないとのこと。

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研究チームはこの新型バッテリーが従来のリチウムイオンバッテリーの少なくとも3倍のエネルギー密度を持つことを実証済み。グッドイナフ氏は「コスト・安全性・エネルギー密度・放電/充電率・サイクル寿命はバッテリー駆動の自動車の普及に欠かせない要素です。私たちの発見は、今日のバッテリー問題の多くを解決できると信じています」とコメント。低コストで安全に使用でき、充電が素早く、再充電の頻度も少なくて済み、高いエネルギー密度を持つ新型バッテリーが実用化すれば、電気自動車などバッテリー駆動の自動車や機器の大きな利点となります。



グッドイナフ氏らの新型バッテリーにはガラス電解質が使われており、急速充電による発火や爆発の危険性はないとのこと。さらにガラス電解質のバッテリーは高い導電率を有するため、マイナス20度という氷点下から60度の間で動作する初の全固体バッテリーとなっているとのことです。また、ガラス電解質は海水などから抽出できるナトリウムを原料とするため、自然に優しく低コストで製造が可能。リチウムイオンバッテリーの原料となる金属リチウムを採掘できるのが中南米などの一部の地域に偏っているという問題も解決されます。

グッドイナフ氏らの研究結果は、学術誌Energy & Environmental Scienceで公開されています。チームはバッテリー開発の研究を続ける予定で、短期的にはバッテリーメーカーと協力して電気自動車や蓄電デバイスなどの開発およびテストの実施を望んでいます。

Alternative strategy for a safe rechargeable battery - Energy & Environmental Science (RSC Publishing)

http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2017/EE/C6EE02888H