冬を代表するグルメといえばあったか〜いダシが体の芯まで染み渡るおでん。今回は、ダシに個性的な魚介を使ったおでん店を紹介。店のセレクトは、関西ウォーカーをはじめとする、雑誌やテレビで活躍するグルメライター、高田 強が担当。各お店のこだわりダシの秘密にせまった!

「かんさいだき本家 常夜燈」店主の池永 伸さん

■ 大阪が誇る“かんさいだき”は鯛を使ったダシが味の決め手

昭和20(1945)年から続く、大阪を代表するおでん専門店「かんさいだき本家 常夜燈」。ほとんどのタネが自家製など、こだわりが多数あり。鯛の頭がアクセントになった昆布&鶏ガラダシに白味噌を加えたまろやかな味付けが特徴。

「かんさいだきセット」(4320円※写真は3人前)は、約14種のおでんが鍋で提供される。ひろうすなど、店の定番ダネがそろった夜の人気メニュー(※季節により内容が変わる)。

また、追加おでん(1個216円〜324円)は、ほのかにシャキシャキ感が残るロールキャベツや、ほかにはない淀大根など個性的なタネも多い。

【味の決め手は鯛!】ダシを入れる前に鍋に小鯛の頭の部分をセットする。その上に、約50年継ぎ足して使ってきたダシを注ぎ入れていく。

【ダシをご飯にかけて味わう】シメの定番はおでんダシをご飯にかけて食べるちゃめし(324円)。鯛をはじめ、さまざまな旨味がご飯に絡み合い絶妙な味わい。

「大根やがんもどきなど4品を選んで食べてもらえる、お手ごろなランチ(800円)も人気ですよ」と店主の池永 伸さん。

■ アサリダシのおでんに癒されるファン急増中

タコ焼きとおでんがメインの大衆酒場「蛸焼とおでん ホリ」。アサリダシを加えて作るおでんや、生地にたっぷりアサリダシを入れたタコ焼きが好評だ。シメのご飯やうどんにもアサリを使用したメニューを多数そろえている。

「おでん」(1個183円〜486円)。おでん1つに2、3個のアサリが付く。大根にとろろ昆布など細かな仕事が光る。

【1日4kg以上アサリを使用】アサリは店を支える大事な食材。煮出したダシを看板メニューのおでんやタコ焼きに使用。

【個性的なタコ焼きも人気】アサリダシを使用したタコ焼きは、ふわとろ味。どて焼きがのった「どて蛸」(842円)は特に人気。

「おでんもタコ焼きもアサリダシを加えることで、ガラリと味が変化するので不思議ですよ。お気軽にぜひ!」と店主の堀 敏樹さん。

■ エビを使ったおでんダネを濃厚なエビダシで味わう!

2016年9月オープンの「海老の世界」。カウンターにエビの水槽があるなど、エンタメ感あふれるエビバルとして話題だ!世界各地から仕入れたエビの造りやエビチリはもちろん、コロッケ、チーズ焼きなどさまざまな料理を楽しめる。

自家製海老ソーセージ(734円)、海老団子(626円)、大根(194円)、玉子(194円)、厚揚げ(302円)。スープは、干し甘エビを焼いて、さらに乾燥させて砕いたものがベース。最初だけでなく継続してエビの風味が感じられる仕上がり。ソーセージと団子は、共にエビ100%の濃厚味。大根や玉子もエビのエキスをまとう。

【ド迫力のおでん鍋】伊勢エビが刺さったおでん鍋を見て注文する客も多い。

【エビ料理が50種以上!】「海老造り食べ比べ」(1人前1708円※写真は3人前)などエビ料理が多数。

「和歌山県、石川県、北海道などに直送ルートがあり、珍しいエビも入ります。おでんと一緒にお楽しみください」と店長の荒川正憲さん。

「20代のころ、誕生日プレゼントにおでん鍋をもらったことがあるほどのおでん好き。その後は保温鍋までもらい、おでん作りに精を出していた。が、結果として専門店のおでんに勝てるわけがないと悟り、今は食べる専門です!」と、“旨いもん魚(ウォ)ッチャー”高田は、今回も専門店のすごさを味わったようだ!【関西ウォーカー編集部】