なぜ改善されないのだろうか。フジテレビが展開する古舘伊知郎(62)司会のバラエティ番組『フルタチさん』(フジテレビ系)や新ドラマ『大貧乏』(フジテレビ系)が視聴率4%台に陥っている。月9ドラマ『突然ですが、明日結婚します』(フジテレビ系)も放送前から視聴者の期待が薄く、2017年に入っても負のスパイラルから抜け出す気配がない。

■古舘バラエティも『大貧乏』も4%台の衝撃

 2016年、どれも鳴かず飛ばずの不振をきわめたフジ。バラエティは『SMAP×SMAP』が終了、報道では田中将大投手(28)の住居などでプライバシー侵害および誤報、ドラマは低視聴率のオンパレード。事あるごとに視聴者の反感を食らった。
 
 年明けも悪い流れが止まらない。1月15日に放送されたバラエティ番組『フルタチさん』は、平均視聴率4.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)。おまけに最年少アイドル「あいちゃん6さい」が幼稚園に好きな男の子がいると紹介するも、事務所代表がTwitterでこれを否定。「放送をドキドキワクワクで観ていたあいちゃんが後半でショックを受けて号泣してしまいました」とツイートし、「番組制作の過程の伝達ミス」ではないかとフォローしているが、波紋を呼んでいる。

 その後21時から放送された『大貧乏』は7.7%から4.4%に急降下。裏で14.2%を叩き出した木村拓哉主演(44)の『A LIFE〜愛しき人〜』(TBS系)に蹴落とされた格好だ。

「唯一善戦しているのが草なぎ剛(42)の『嘘の戦争』。12.0%と気を吐いている。『嫌われる勇気』は1ケタ台で期待できない。とにかくジリ貧」(報道関係者)

 もう一つ暗雲が立ち込めているのが、1月23日から放送予定の新月9ドラマ『突然ですが、明日結婚します』。西内まりや(23)とflumpoolの山村隆太(31)がタッグを組むラブストーリーだが、反応はイマイチ。16日にはキスシーン付きの予告動画も発表されたが「爆死確実」「見ませんので好きにしてください」と期待感が薄い。

「月9枠は近年ヒット作に恵まれず、視聴率は下降の一途をたどっている。今回も竹野内豊(46)や瑛太(34)に逃げられた。初回が23日スタートと、放送日が2000年代の1月期の月9ドラマの中で一番遅い。キャスティングや制作でいかにバタバタしたのか物語っている。ストーリー設定も目新しさがあるわけではなく、予告動画を見るだけで不安。竹野内がオファーを断ったのも頷ける」(前出・報道関係者)

 一向に復調の様子が見えないフジ。巻き返しを図ることはできるのか。それとも同じ過ちを繰り返し続けるのだろうか。

文・海保真一(かいほ・しんいち)※1967年秋田県生まれ。大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーライターに。週刊誌で執筆し、芸能界のタブーから子供貧困など社会問題にも取り組む。主な著書に『格差社会の真実』(宙出版)ほか多数。