8日に行われたヨーロッパリーグ(EL)・グループステージ最終節で、スパルタ・プラハをホームに迎えたインテル。だが、すでに大会敗退が決まっていたこともあり、サン・シーロは「ホーム」ではなくなっていたようだ。

開幕直前に監督交代を断行し、フランク・デ・ブールのもとでインテルが不振に陥っていたのは周知のとおりだ。最終的にクラブは指揮官を解任し、ステファノ・ピオリ現監督を招へいしている。

セリエAでも現在10位と低迷しているがインテルだが、ELではもっとひどい結果となった。

開幕戦で格下ハポエル・ベア=シェバにホームで0-2と完敗すると、続くスパルタ・プラハ戦でも連敗。サウサンプトンとの連戦では、初戦こそ初白星を挙げたが、デ・ブールを解任して暫定監督で臨んだ2戦目は逆転負けした。

そしてピオリ監督が就任して迎えた第5節、敵地でハポエル・ベア=シェバを相手に前半だけで2点を先行しながら、後半に3失点して逆転負け。「突破が確実」と言われていたグループで、まさかの最下位敗退となってしまったのだ。

首位通過を決めていたスパルタ・プラハとの最終節は、完全な消化試合となった。当然、多くの観客を望むことはできない。それでも、「ウルトラス」と呼ばれる熱心なサポーターなら、スタジアムで応援してくれ…たわけではなかった。

ふたを開けてみたら、インテルのウルトラスが陣取る「クルヴァ・スッド」は、人っ子一人いない状態。がらんとしたスタンドには、「5試合で4敗だ。見苦しいお前たちの仕事には、これがふさわしい。恥を知れ」との横断幕が掲げられた。


熱心なファンの声援を期待できなくなったインテルだが、クラブ発表として一部のイタリアメディアが伝えたところによると、観客動員数は1万4856名だったとのこと。チームはそれらのファンの期待に応えようと意地を見せる。FWエデルの2得点で2-1と勝利したのだ。1-1のタイスコアでPKのピンチを迎えながらも、GKフアン・パブロ・カリーソのセーブでしのぐ場面もあった。


特に、インテルファンに今後への期待を感じさせたのが、17歳5カ月の若手アンドレア・ピナモンティのデビューだ。スタメンに名を連ねたピナモンティは、見事なトラップでエデルの先制点をおぜん立てしている。


ベンチ入りした長友佑都の出番はなかったが、インテルはこれで公式戦3戦2勝となった。ピオリ監督のもとで復調し、サポーターの信頼を取り戻すことはできるだろうか。