価格の差は税制の違いに由来するのが大部分

同じように原油から精製しているのにガソリンと軽油(ディーゼル燃料)では何十円もリッターあたりの価格が異なる。不思議に思ったことはないだろうか。

たしかに精製原価でいってもガソリンのほうがコスト高になる傾向にあるが、原油から生まれるのは同様で、製造上はここまでの価格差が生まれる理由はない。

日本においてディーゼル燃料が安いのは、税金の違いによる部分が大きいのだ。ガソリンにはガソリン税(揮発油税+地方揮発油税)が、ディーゼル燃料には軽油引取税がかかっているが、それぞれ税額が異なる。

簡単にまとめると、ガソリン税はリッターあたり53.8円。軽油引取税はリッターあたり32.1円となっている。しかもガソリン税は、さらに消費税がかかるという二重課税状態となっているので、実質的にはガソリン税は58.1円となってしまう。

仮にガソリンとディーゼル燃料の本体価格が同じだったとしても、ここだけで26円もの差が生まれるのだ。しかも、こうした燃料にかかる税は暫定措置で倍増されているのが現実。2008年4月に発生した空白期間に本則税率に戻ったこともあるが、現在は無期限で暫定税率が課せられる状況となっている。

(文:山本晋也)