中国メディア・今日頭条は12日、中国の大手電子機器メーカー・華為(ファーウェイ)の任正非社長が日本の代表事務所や日本の研究所スタッフと懇談を行った時に語った内容について紹介する記事を掲載した。そこには、政治を語らず、客のために品質サービスを重んじることが説かれている。

 記事は、「日本は非常に品質を重視している。これは未来に勝利を得るための最も根本的な基礎である」と説明するとともに、中国も多年の努力を重ね。数度の「陣痛」を経て新たな代名詞を得ることができると信じているとした。現在、中国社会では「ニセモノが横行するバブル社会から理性を取り戻す」という巨大な転換期にあるとし、バブル崩壊後の日本で「本物」だけが残ったように、中国でも同様な状況がやって来るとの見解を示している。

 そして、日本の「本物」が品質を重視している例として、ある中国人女性が両親のために新しい洗濯機を購入した時のエピソードを紹介。両親が新しい洗濯機を欲しがるも、10年以上経過した日本の洗濯機に壊れる気配がないために捨てられない、結局古い洗濯機を布団専用に残し、新しい物を買ったと説明したうえで、女性が冗談で「いつまで経っても壊れない日本の物の品質が恨めしい」と語ったことを伝えた。

 さらに、商業分野に身を置く企業として「過度に政治に首を突っ込むべきではない」と指摘。政治はあくまで政治家がするものであり、われわれのような政治を知らない者がするものではない、われわれはしっかりと客のためにサービスを提供することで、成功を得られるのだと論じている。また、その価値観は「心からサービスを提供することで、お客さんにポケットからお金を出してもらう」というシンプルなものであり、地道にまじめに努力を重ねていくことこそ必要であるとの見解を示した。

 政治は確かに商売に影響するが、商売とは別の世界に存在するもの。日中関係が冷却化しても、必要以上に反日感情を煽ることなく、地道に粛々と顧客のために質の高いサービスや製品の提供に努めることが、自身の長期的な成長にとってもメリットが大きいということを伝えているようだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)