2014年、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリに輝いた西銘 駿は、それからわずか1年後に、『仮面ライダーゴースト』(テレビ朝日系)の主人公、天空寺タケル/仮面ライダーゴースト役を射止めた。そして8月19日には1st写真集『SHUN』が発売となる。西銘の出身地・沖縄でのオールロケを振り返ってもらいながら、前を見据えて走り続ける彼の素顔に迫った。

撮影/後藤倫人 取材・文/花村扶美 ヘアメイク/大坪真人

地元・沖縄で2泊3日のロケを敢行



――8月19日に1st写真集『SHUN』が発売されますね。

デビュー1年目で出せるなんて、ありがたいですよね。話を聞いたときはうれしい半面、見てくださる人たちが満足してくれるか不安もあったんですけど…。でも沖縄ロケということで、リラックスした状態で撮影に臨むことができたので、そこはすごくよかったなって思いました。

――沖縄オールロケというのは、西銘さんのリクエストですか?

僕とスタッフさんみんなで話し合って決めました。沖縄出身なので、地元で撮ることで自然な表情が狙えるんじゃないかって。

――6月上旬に2泊3日でロケをされてきたそうで。沖縄に帰るのは久しぶりでした?

半年ぶりくらいかな? 『仮面ライダーゴースト』が決まるまでは、けっこう頻繁に帰っていたので寂しい思いをしてたけど、久しぶりに帰ることができてうれしかったです。



――天候はどうでした? やっぱり暑かった?

暑かったですね、死にそうでした…(笑)。沖縄に住んでいた頃は平気だったんですけどね。野球やソフトボールをやってたので、ずっと外にいたんですよ。

――こんなに肌が白いのに…!?

僕、日焼けしにくい体質みたいで、いつも真っ白で。ソフトボールの大会に出たときも、他校の生徒に「肌が白いってことは、練習してないんじゃないの」って目で見られるのがイヤでしたもん。

――今では、肌が白くてキレイな点を誉められることのほうが多いと思いますが…

だけど、沖縄に帰ると“東京から来た修学旅行生”と間違われるのは悲しいです…。お土産売り場で「これは海ぶどうって言ってね〜」って説明されたりするんですよ。僕は海ぶどう、昔から食べて育ってますからね!!(笑)

――(笑)。地元のうるま市で撮影を?

1日は地元、残り2日間は遠出しました。沖縄には景色がキレイなところとかいっぱいあるんですけど、地元の人間は意外と行かなかったりするんですよね。だから僕自身も知らなかった沖縄を知ることができて楽しかったです。一緒に観光しているような気分を味わってもらえるといいな。



浴衣デートに憧れて…夏祭りの思い出



――印象に残っている撮影中のエピソードについてお伺いしたいんですけど…

たくさんあります!(笑) 何から話そうかな……まず、沖縄にこんなところがあったのかっていうくらい豪華なホテルに泊まりました。お姫様が寝るような天蓋つきのベッドだったから、落ち着かなかった(笑)。

――寝グセがぴーんとついてる写真がありますが…これ、ガチ寝起きですか?

そうです! やらせなしです! バラエティ番組とかで寝起きドッキリを見て笑ってましたけど、ホントに不意打ちで、反応できないんですよ。「西銘くん」って声をかけられたときに、「えっ、僕の部屋に誰がいる…? 怖い…!」と思ってゆっくり目を開けたら、カメラを持ったスタッフさんがいたという(笑)。

――寝起きドッキリ、大成功!(笑)

でも今、改めて見たら、“こんなに寝グセがついてたの!”ってくらい寝グセがついてますね…びっくりしました。えっ、ウソっぽいですか? やらせじゃないってちゃんと書いておいてくださいね!!(笑)

――浴衣を着ている写真もステキですね。切ない表情だからか、どことなくノスタルジックな雰囲気が漂っていて。

ありがとうございます! でもこの表情なのには理由があって…。この写真を撮った場所のすぐ近くに、昔よく遊んでいた原っぱがあったんですけど、僕が東京に行ってるあいだに市役所がドーンと建っていたんです。



――あらら…子どもの頃の思い出がひとつなくなってしまった、と。

そうなんです。中学生の頃、その原っぱでよく夏祭りをやってたな〜とか思い出したりして…。沖縄の人って、お祭りだからって浴衣をあまり着ないんですよ。

――そうなんですか?

で、彼女もいないから、夏祭りにカップルで遊びに行くっていうシチュエーションに憧れもあったんです(笑)。こうやって浴衣を着て、ここで彼女を待っていたかったな〜なんて……もうできないんですけど。それでちょっと悲しみも含んだ表情になりました(苦笑)。

――ちょっと脱線するんですけど、地元の人はお祭りには何を着て行くんですか?

普通に私服です。Tシャツに短パンとか。

――なるほど…海にも水着じゃなくてTシャツで入るって聞きますが。

そうなんですよ。男としては女の子の水着を見たいですよね、やっぱり。シャイな部分は取り払っちゃいましょう!

――今のは誰に向けたメッセージですか?(笑)

沖縄の女の人へ、です(笑)。




ワイルドな表情の裏には「僕なりの反抗期」!?



――アメリカンダイナー前でのお写真は、私たちがイメージする元気な西銘くんとは違って、男らしい表情でした。

ワイルドなイメージで撮ろうということで、笑顔を封印しました。カメラマンさんにも、いつもの西銘くんが見せない表情を出してほしいって言われたので。

――ヘアメイクもいつもと違うし、ライダースを羽織ったりと衣装もカッコいいですね。実際にこういう撮影に挑戦してみて、どうでしたか?

このドヤ顔からお察しの通り(笑)、今の自分なら、なんでもできそうな気がするって思いました。僕は免許を持ってないんですけど、“今なら大型バイクにも乗れるぜ!”って気持ちでしたね。

――(笑)。

僕、父親が怖かったので反抗期がなかったんです。だから、反抗したかった気持ちを思い出しながら撮影に臨みました(笑)。

――お父さん、厳しかったんですね。

すごく厳しい人で、中学生なのに門限が夕方の5時半だったんですよ。5時半になると、家の2階の窓から僕が帰ってくるのを見張ってるんです。門限を破ったらゲンコツされました。

――小さい頃はよく怒られていた…?

小さい頃はやんちゃだったので…やんちゃっていうか、おっちょこちょいなのかな。ランドセルを忘れて学校に行ったりとか、物を失くしたりとかしょっちゅうだったので、よく怒られてましたね(苦笑)。

――でもやっぱり役者としての経験が積まれたからこそ、ワイルドな表情だったり、いろんな顔を見せられるようになったのでは?

そうかもしれないですね。ワイルドとかクールとか可愛くとか、撮影のテーマがあらかじめ決まっていたので、気持ちを入れやすかったです。今、自分ができる精一杯の力を出し尽くしました!



肩書きがなくても、輝くことができる役者へ



――沖縄にはおいしい食べものがいっぱいありますが、滞在中は何を食べていましたか?

3日間、朝昼晩ずっとソーキそばでした。僕、ソーキそばが大好きなんです。素朴な味だし、トッピングによって味が変わるので飽きることなくどんどんイケちゃうんですよね。でもスタッフさんは、“あー、今日もソーキそばか”って顔してたかも(笑)。

――そんなに好きだったとは。

2日目の撮影が終わった夜、実家に泊まったんですけど、僕がソーキそばが大好きだってことを家族は知っているので、ソーキそばがちゃんと用意されていました(笑)。

――ところで、『SHUN』というタイトルは自分で考えたんですか?

はい。初めての写真集だからシンプルにいこうって決まって、直筆で書くことにしたんです。イラストで書いたり、SHUNの「U」の数を増やしてみたり、いろいろなバージョンを50個くらい提案しました。

――50個も!

最終的にはシンプルなのがいちばんいいね、という話になって、これが採用されました。

――では、改めてファースト写真集に点数をつけるなら何点?

100点! 自分が育った場所にも行けたし、自分が知らなかった沖縄を知ることもできたし、僕の満足度は100点満点です。写真集の出来は、見てくれる人が決めることだと思うので。

――写真集を見たファンの方の反応が、今から楽しみですね。

はい! 僕自身は、沖縄で撮影したおかげで、またイチから頑張ろうっていう気持ちになりましたね。今までは「沖縄出身」という言葉に助けられてきたけど、これで沖縄に恩返しできたのかなって。これからは「沖縄出身の西銘 駿」じゃなくて、「俳優の西銘 駿」として有名になっていきたいです!