2015年に日本を訪れた中国人旅行客が前年比107.3%増の499万3800人に達したとおり、近年は日本を訪れる中国人が急増している。年末年始や春節、さらには桜の開花時期など、ことあるごとに大勢の中国人が日本を訪れているが、これは一過性のものなのだろうか。

 中国メディアの環球網はこのほど、桜の開花時期にあわせて日本を訪れた中国人旅行客は約50万人に達したと伝えつつ、中国人旅行客が日本で観光を楽しむ写真を数多く掲載している。

 記事が紹介しているのは、若い中国人旅行客が和服を着て桜との記念撮影に興じている姿や、屋形船に乗って花見を楽しむ中国人旅行客、などだ。特に和服を着用した中国人旅行客は見た目的には日本人とまったく変わらず、非常に日本に溶け込んでいるようにも見える。

 また、いずれの写真でも中国人旅行客が日本を堪能している姿が写っており、笑顔で日本観光を楽しんでいる姿が印象的だ。日本観光が楽しい思い出となれば、中国人たちの日本に対する印象も大きく変わり、中長期的には中国国内における対日感情の変化も期待できるだろう。

 だが、環球時報は愛国論調の強いメディアであり、愛国心の強い読者も多いとされている。そのため、同記事には愛国者とみられるユーザーたちから激しいコメントが寄せられており、「日本を訪れる売国奴どもめ!中国人なら友好国のパキスタンを旅行せよ」、「日本にカネを落としてくる中国人は売国奴だ」などといったコメントが多く見られた。笑顔で日本旅行を楽しむ中国人の姿と、こうした同胞を売国奴呼ばわりする中国人の姿という、二面性がはっきりと表れた記事だった。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)