日本による北朝鮮制裁は単なるパフォーマンス・・・中国メディア・東方網は11日、7日に北朝鮮が事実上のミサイルを発射したことへの日本政府による単独制裁措置について、実質的な効果は小さく米国さらには韓国の機嫌を取るためのものだったとする評論記事を掲載した。

 記事は、北朝鮮の「衛星」発射について「最も脅威にさらされるのは間違いなく韓国。その発射に対する激しく積極的な反応は理解できる」とする一方、日本は「また軍拡の口実ができたとほくそ笑んでいるかもしれない」と解説。日本が率先して制裁を発表した裏には「米国の走狗として役割と、韓国に対する関係修復のシグナル」という意図があるとした。

 とくに韓国向けの意図について記事は「米国の命令のもと、日本は恭しく訪韓して慰安婦問題で意見の基本的一致にこぎ着けた。しかし実際に慰安婦問題には進展がなく、両国関係は緊張したままだ」としたうえで、今回の発射問題を契機に日本側が「日韓団結して北朝鮮に対峙しよう」との姿勢を示したものと解説している。

 記事はさらに「日本はバカではない」として、一部2014年に撤廃した拉致問題関連措置の復活、北朝鮮に停泊した第三国船の入港禁止、北朝鮮を訪れた核・ミサイル関連在日外国人専門家の再入国禁止などといた制裁の内容を紹介。「北朝鮮にとっては痛くもなく、米韓を含む多くの国はただ失笑せざるを得ない」と評した。

 核実験に続き、新たなミサイル発射成功と故・金正日(キム・ジョンイル)氏の誕生日を16日に控えた北朝鮮国内は大いに祝賀ムードに包まれていることだろう。それを尻目に、日本、韓国、中国といった近隣諸国は複雑に絡み合う自国の立場や利益を鑑みながら北朝鮮の「暴挙」に対するアクションの取り方を、慎重に選んでいると言える。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)