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JimmyAppleがVirnetXからの特許侵害訴訟に敗訴し、Appleに6億2600万ドル(約738億円)の支払い命令が連邦陪審から下されました。Appleが無断使用した特許とは一体何なのか、そこには特許権を駆使して賠償金やライセンス料の獲得目的訴訟を起こす行為の「
パテント・トロール」が深く関係しています。
Case 6:12-cv-00855-RWS Document 425 Filed 02/03/1
(PDF)
http://ia700701.us.archive.org/7/items/gov.uscourts.txed.140694/gov.uscourts.txed.140694.425.0.pdfJury: Apple must pay $626 million to patent troll VirnetX | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2016/02/jury-apple-must-pay-626-million-to-patent-troll-virnetx/今回行われた陪審は、VirnetXがAppleによって特許が侵害されているとして起こし、3億6800万ドル(当時のレートで約292億円)を勝ち取った
2012年の特許侵害訴訟の再審になります。控訴裁判所が陪審で下された約292億円の賠償金額を不適切として、今回再審理が行われることになりました。
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Tori RectorVirnetXが訴えているのは「VPN on Demand」「FaceTime」「iMessage」といったAppleの製品にVirnetXのセキュア通信特許(セキュリティ技術)が許可なく使用されているというもの。前回の審理ではAppleの特許侵害が認められたわけですが、今回の審理で賠償金の支払額が約738億円に増加しました。
審理結果だけを聞くと、特許を犯したAppleが賠償金を支払うのは当然と思えますが、実はVirnetXは賠償金やライセンス料の獲得のためだけに訴訟を起こすパテント・トロールという行為で知られている企業で、同社は特許技術を使った製品をリリースしていません。
パテント・トロールの実態は以下の記事を読むと理解できるはずです。
「パテント・トロールとは何か?」をわかりやすく解説したムービー - GIGAZINE
2010年にはVirnetXがVPN関連の特許でMicrosoftを訴え、Microsoftが同社に約2億ドル(当時のレートで約160億円)の和解金を支払うことで
決着しました。この他にも、VirnetXは
シスコ・
Avaya・
Siemensといった企業に対して特許侵害の訴訟を起こしています。
VirnetX以外にもパテント・トロールで大金を稼ぎ出す企業は多々存在し、パテント・トロール目的の訴訟はなんと
全体の67%に及んでいることが2014年に明らかになりました。
Appleは、これまでにも
ポケベルの特許や
iPhoneや
iPadに搭載されている
高絶縁性単結晶窒化ガリウム薄膜の特許を始めとする多くの特許訴訟を起こされてきており、他の大企業も例外ではありません。企業の経営に大きな影響を与えかねないパテント・トロールに対しては、悪質な特許訴訟を抑制するTROLL法が可決されたり、Googleやキヤノンといった企業が
企業連盟を設立したりなどの対策がとられていますが、パテント・トロールに悪意があることを証明するのは簡単ではなく、今回のAppleの一件からもパテント・トロールを阻止するのはなかなか難しいということがわかります。
なお、Appleは評決に失望したとして
控訴する方針を固めています。