ほぼ毎日使うパソコンキーボード。その汚れについてこれまで特に意識してはなかったのだが、「便座の5倍の量のばい菌が潜んでいる」なんていう話は何度か耳にしたことがある。ふと自分のキーボードに目を落とすと、ホコリがこびり付き、キーの下には大量のゴミが。「このまま年を越したくない」という思いに駆られ、本格的に掃除をしてみることに。

 

今回掃除するのは、オフィスで使用しているメンブレンタイプのキーボード。筆者は仕事用のデスクで昼食をとったりおやつを食べたりするにも関わらず、このキーボードを使い始めてからおよそ2年半、1度も掃除をしたことはない(!)。

キートップがテカッているのはツヤでなくおそらく皮脂。ホコリが付着し、奥には食べかすのようなものも見える

【準備】道具を用意。なるべく人のいない場所でやろう

まずは、必要な道具の準備から。今回はキートップをすべて外してその下まで掃除をするため、500円程度で手に入るキートップ引抜工具を用意した。

<主な道具>キートップ引抜工具(キートップを外すための専用器具)洗濯用ネット(キートップを水洗いする際の紛失防止用)食器洗い用洗剤(キートップの水洗いに使用)エアダスター(本体のほこりや小さなゴミを吹き飛ばす)綿棒(細かい部分の汚れを取る)

ほかには、水洗い後のキートップを拭くタオルやティシューをあらかじめ用意しておくとスムーズだ。ハウスダストによるアレルギーが心配な場合は、マスクを装着したほうがよい。ちなみに、掃除を始めると思った以上にホコリが舞い散るので、なるべく人がいない場所を選んで作業しよう。

キートップ引抜工具(左)とエアダスター(右)以外は通常家庭にあるものなので、ハードルは低いはず

→価格.comで「キートップ引抜工具」をチェック!

今回使用したのは「ダイヤテック FILCO KeyPuller [FKP01] 」

→価格.comで「エアダスター」をチェック!

【手順1】掃除スタート! まずはキートップを外す

道具がそろったら、キートップを外していく。すぐさま外しにかかりたくなるが、外す前の状態を撮影しておくのを忘れずに! いざ戻す段になって「キーの配置がわからない……」となるのを防ぐためだ。

ついでに汚れがひどい部分も撮っておけば、掃除終了後にビフォー&アフターを楽しめる

撮影が終わったら、いよいよキートップを外す。思ったより力を入れないと抜けないのと、外れる瞬間“ばきっ”と音がするため最初は勇気がいった。慣れてしまえばサクサク引き抜けるはずだ。

キートップは抜ける勢いで飛んでしまいやすいので注意。今回、ハンドル部分を握って使用するタイプの引抜工具を用意したが、「キートップを指で押さえながら引き抜けるタイプのほうが使いやすかったかもな」とほんのり思った。

キートップの底に引抜工具を引っかけ、力いっぱい真上に引っ張る

キートップが外れると、キーとスイッチの間のラバーとともに底に溜まっているゴミが姿を現す。予想はしていたものの、それを上回る汚さに驚いた。

この汚れがキーボード全体に広がっているかと思うと鳥肌が立つ

【手順2】キートップを水洗いする

キートップをすべて外したら、付着したほこりや皮脂を落とすため水洗いをする。ポイントは、紛失防止のために洗濯用ネットに入れて洗うことと、水洗い後によく乾かすことだ。

キートップは表面だけでなく、裏側にもほこりや皮脂のようなものがたっぷり付着している

水またはぬるま湯を張った洗面器や洗面台に洗剤を投入し、ネット内のキートップ同士を軽くこすり合わせるようにして洗っていく。

洗濯用ネットは大き過ぎるとキートップがバラけて洗いづらく、小さすぎると中身が対流しないため、「シャツ1枚用」くらいのサイズのものがベストだと思う

洗浄具合を目で確認することはできないが、2分ほど洗えばキレイになった

よくすすいで洗剤を落としたら、タオルで水気をよく拭き取ろう。その後、広げて水分を飛ばす。早く乾かしたい場合はドライヤーを使ってもOKだ。

ドライヤーは必ず冷風モードで使用すること

【手順3】キーボードの土台を洗おう

キートップを乾かしている間に、エアダスターと綿棒でキーボードの内側を掃除する。外側は、固く絞った布巾などで拭いておこう。

キートップをすべて外したキーボード。ハウスダストアレルギーの筆者は、見ているだけでくしゃみが出そう

ざっと汚れを払ったら、エアダスターを吹きかけて飛ばしていく

細かい部分や粘性のある汚れは、綿棒でこすり取っていく。汚れがしつこい場合は、綿棒の先を湿らせてよく水気を切ったものを使用してもOK。ここで気をつけたいのは「深追いし過ぎない」こと。力の入れ過ぎや、ラバーの隙間をほじくるといった内部を傷つける恐れのある掃除はNGだ。

エアダスターで大まかな汚れは取れたが、ベトベト汚れには太刀打ちできず

綿棒で汚れを取る場合は深追い厳禁。くれぐれも力を入れ過ぎないように

【手順4】キートップが完全に乾いたら元に戻す

キーボードの内側がキレイになったら、キートップを元に戻す。その際に、キートップが完全に乾いているのを確認すること。少しでも水分が残っている場合は装着してはダメ。ひと晩乾かすくらいの気持ちで時間に余裕を持って作業しよう。

あらかじめ「文字入力キー」「Fキー」「テンキー」などに分けておくと作業がスムーズ

わかりやすいところからはめこんでいく。パズルみたいで楽しい

キートップをすべて元の位置にはめ込んだら、完了!

掃除したてのキーボードは、新品同様とはいかないものの清潔感に溢れている

掃除後のキレイなキーボードなら、タイピングも軽やかに行えそうだ

掃除前の状態を見ると、よくこれまで壊れずに動いていてくれたと不思議に思う

来年からは小まめな掃除を心がけたい

この2年半、掃除をする気になることは1度もなく、このキーボードのそばで1日の大半を過ごし、食事もとっていたが、今思うとなんだか恐ろしい行為に思えてくる。キーの間に汚れがたまると、「キーが下りたまま戻らない」「押しても入力できない」など故障の原因となることもあるようだ。それだけでなく、いくら高性能な空気清浄機を使用したり、せっせとうがい手洗いをしても、身近にこんなに汚いものがあってはその効果も半減だろう。

水洗いをしたキートップを乾かす時間を除けば、今回の作業時間は述べ1時間ほど。キーボードと自身の健康のためにも、半年に1度くらいは掃除を行いたいものだ。また、ここまで汚れがたまらないよう、「キーボードカバー」を利用したり、「専用クリーニングアイテム」で汚れを取っておくといった小まめな手入れも有効だろう。


>> 実は超汚い!? パソコンのキーボードを大掃除してみた の元記事はこちら