Microsoftのクラウドストレージサービス「OneDrive」では、Office 365 Home、Personal、Universityを利用しているユーザーがストレージの容量制限なしでサービスを利用できるようになっていました。容量無制限のサービスは2014年10月末から順次利用可能になっていったのですが、たったひとつのアカウントで75TBというユーザー平均の1万4000倍分という巨大データをアップロードするユーザーなどが登場したことで、Microsoftは容量無制限を廃止することを決定しています。

OneDrive storage plans change in pursuit of productivity and collaboration | OneDrive Blog

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今回のアナウンスで明らかになったのは、「これまでOneDriveを容量無制限で使用できたOffice 365 Home、Personal、Universityを利用しているユーザーの利用可能容量が1TBに変更される」ということ。また、現在OneDriveでは月額190円で100GB、380円で200GBの容量が使用できる有料サービスを展開していますが、このサービスは今後新規ユーザー向けには提供されないこととなり、2016年初頭からは新規ユーザー向けに月額1.99ドル(約240円)で50GBが使用できるサービスが提供される模様。

OneDrive のプラン



また、2014年7月から無料で誰でも15GBの容量が使用可能だったOneDriveですが、無料で使える容量は15GBから5GBに減少。2014年7月以前には無料で7GBが使用できたので、そのときよりも使えるストレージ容量が減るかたちになります。また、過去にOneDriveではカメラバックアップ機能の有効化で15GBの追加容量が入手可能だったのですが、この際に追加された15GBは2016年初頭に廃止される見込み。



Microsoftはできる限りスムーズなサービス変更とするため、既存のOffice 365ユーザー(OneDriveを容量無制限で使用しているユーザー)のうち、1TB以上のデータをOneDriveに保存しているユーザーでも2015年11月2日から超過分のデータに12か月はアクセスできるようにする模様。その後も超過データがある場合、アカウントは読み取り専用となり、さらに6か月が経過してもデータが超過している場合、何かしらのアクションが起きるまでアカウントはロックされ、アカウントがロックされて1年が経過すればアカウントが削除されるとのこと。なお、Office 365ユーザーが今回の変更に不満を持った場合、Microsoftは返金対応にも応じる模様。

無料ユーザーで5GB以上の容量を使用しているユーザーは、今回のアナウンスが適用される2016年初頭から少なくとも12か月は5GB超過分のデータにも自由にアクセス可能となります。加えて、クレジットカードが必要なものの、無料で1年分のOffice 365 Personalサービスが使用できるようになるので、1年間無料でOneDrive上で1TBの容量が使えるようになる、とMicrosoft。

超過データを持つ無料ユーザーは、今回のアナウンス内容がサービスに適用されてから90日間はOneDriveが読み取り専用となり、データを新しく保存できなくなります。90日が経過したあとになってもデータが超過している場合、超過分のデータには9か月の間アクセス可能になりますが、引き続きOneDrive上に新しくデータを保存することはできなくなります。そして9か月が経過してもデータが超過している場合、アカウントはロックされ、何かしらのアクションを起こさない限りアカウントにアクセスできなくなります。「何かしらのアクションを起こさない限りアカウントにアクセスできなる」としか公式のFAQには書かれていませんが、つまりは有料サービスに登録して超過データをどうにかしない限りOneDriveが使えなくなるというわけ。なお、ここから1年間超過データを放置した場合、アカウントは削除されます。

既存のOneDriveユーザーの内、何も影響を受けないのは有料サービスで100GBもしくは200GBの容量を使用しているユーザー。これらのユーザーは、今回のアナウンスが適用される2016年初頭以降も同じ料金で100GBもしくは200GBの容量を使用し続けることができます。